AutoCADの設定をオプションでより使いやすく!リセットの方法と併せてご紹介
2019.11.13
- CADソフト解説
記事ライター:キャドテク編集部
AutoCADで効率よく作図をおこなうために、作図環境を整えることは重要なポイントです。ここでは、AutoCADにおけるオプションの開き方や設定などの基本的な操作方法から、クラシックUIへの変更方法や、ソフトのリセット方法など、知っておきたい機能を詳しく紹介していきます。
目次
AutoCADのオプション設定1:オプションを開く方法
AutoCADでオプションを開く方法は、2つあります。
・アプリケーションボタンからオプションを開く方法
画面の左上にある「A」というアイコンの、アプリケーションボタンをクリックします。メニューが表示され、中央下部に「オプション」ボタンがあるのでクリックすると、オプションダイアログが表示されます。
・コマンドラインからオプションを開く方法
作業エリアの下部にあるコマンドラインで右クリックをします。表示されるメニューの一番下にある「オプション」をクリックすれば、オプションダイアログが表示させることができます。
AutoCADのオプション設定2:常に設定したファイルバージョンで保存する方法
AutoCADでは作業環境にあわせ、自分のパソコンに保存する図面ファイルのバージョンを、常に同じバージョンに設定しておくことができます。
具体的な方法としては、下記の通りです。
1.「オプション」コマンドを実行すると、オプションダイアログが表示されます。
2.上部に並ぶタブの中から「開く/保存」タブをクリックします。
3.保存エリア「名前を付けて保存」の下にあるファイル形式を選ぶ欄の、右側をクリックすると、AutoCADのバージョンを選ぶことができます。
この設定で次回から図面を新規作成する際、設定したファイル形式で新規作成、保存が可能です。
AutoCADのオプション設定3:背景色を設定・変更する
AutoCADのオプションでは、作業エリアの背景色を変更することもできます。
作業エリアの背景色を設定、変更する方法は、下記の手順でおこないます。
1.「オプション」コマンドを実行し、オプションダイアログボックスが表示されるたら、ダイアログボックスの「表示」タブをクリックしましょう。
2.表示タブ「ウィンドウの要素」エリアの中に、「色」ボタンがあるので、クリックします。
3.「作図ウィンドウの色」というダイアログボックスが表示されるので、右の「色」をクリックし、好みの色を選択してください。
4.ダイアログボックス下部にある「適用して閉じる」のボタンをクリックすると、選択した色に変更できます。
また、独自の中間色を指定したい場合は、色を選択するメニューの一番下にある「色選択」を押下すると、色の体型がグラデーションで表示されます。マウスクリックにより、微妙な中間色を選択することも可能です。
なお、規定の色に戻したい場合は、「復元」ボタンをクリックすると、初期設定の背景色に戻せます。
AutoCADのオプション設定4:ピックボックスやグリップのサイズを設定・変更する
ピックボックスとグリップのサイズ変更の方法
AutoCADでは、オブジェクト選択時に表示される「□」をピックボックスと呼びます。
また、オブジェクトを編集する際に現れる「■」はグリップと呼ばれています。
AutoCADにおけるピックボックスとグリップのサイズを設定、変更する方法は、下記の通りです。
1.はじめにアプリケーションボタンをクリックし、アプリケーションダイアログを表示します。
2.オプションダイアログの上部に並ぶタブの中から、「選択」タブをクリックしましょう。
3.「選択」タブの左上のエリアがピックボックス、右上のエリアがグリップとなっています。
4.それぞれにスライダーが付いているので、左右に動かしてサイズを変更します。
5.最後に下部にある「OK」ボタンをクリックすると、変更が反映されます。
ピックボックスとグリップの適正なサイズとは?
初期設定では、ピックボックスとグリップのサイズは大きめに設定されています。初期設定のまま作図をおこなうと、以下のようなケースに遭遇します。
・ピックボックスとグリップのサイズが大きすぎるため、マウスカーソルを誤って別のオブジェクトに合わせてしまう
・小さすぎる場合、オブジェクトを選択しづらいうえ、オブジェクトが選択できているのかわかりづらい
このように、ピックボックスとグリップは、大きすぎても小さすぎても、作業上の不都合が出てしまいます。そのため、使っているモニターの解像度と、モニターサイズによって設定を変える必要があります。
一概には言えませんが、一般的にはデフォルト設定より、すこし小さめに設定すると、作業がしやすくなる場合が多いようです。自分のパソコンに合わせた設定がどのくらいなのか、スライダーを動かして、ベストなサイズを見つけましょう。
AutoCADのオプション設定5:クロスヘアカーソルを設定する
AutoCADにおけるクロスヘアカーソルとは、作図領域にカーソルがあるときに現れる、十字形のカーソルのことです。中央にはピックボックスがあります。
AutoCADでは、このクロスヘアカーソルの大きさを、自由に設定、変更することが可能です。
中には、「クロスヘアカーソルを大きくする必要があるのか」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、一般的にカーソルは、ある程度大きいほうが、作業しやすいという意見が多いです。
それでは、AutoCADのクロスヘアカーソルのサイズ設定、変更の方法を説明します。
1.コマンドラインで右クリックし、表示されるメニューの一番下にある「オプション」をクリックして、オプションコマンドを表示します。
2.オプションコマンドが表示されたら、上部に並んでいるタブの中から「表示」タブを選択します。
3.表示タブを選択すると、右下に「クロスヘアカーソルのサイズ」と書かれたエリアがあります。左側に数字を入れて大きさを調整するボックスがあるので、数字を入力してクロスヘアカーソルのサイズを調整します。
なお、右側のスライダーをドラッグすることでも、調整可能です。
カーソルのサイズを数字で調整する場合、最小値は「1」、最大値は「100」となっています。100に設定すると、画面上部までクロスヘアカーソルを表示することができます。※デフォルト設定では、「5」に設定されています。
AutoCADソフトに限らず、長時間CADの操作をおこなっていると、カーソルの位置がわからなくなることも少なくありません。
上記の手順でクロスヘアカーソルを最適な大きさに設定しておくことで、カーソルを探すといった無駄な時間をなくすことができるでしょう。
また、カーソルのサイズとは別に、カーソルの色も変更することができるので、背景色と相性が悪いと感じる場合は、色の変更も試してみると良いかもしれません。
AutoCADのオプションと併せて知っておきたい“クラシックワークスペース”の表示方法
古くからAutoCADを利用しているユーザーの中には、AutoCADの古いインターフェースのほうが、シンプルで使いやすいと感じる人もいるようです。
AutoCAD2014までは、クラシックスタイルで作業できましたが、AutoCAD2015からは、クラシックスタイルへの変更、設定は廃止されました。
しかしAutoCAD2017から、再びリボンメニューを非表示にできるようになり、クラシックスタイルへの変更が復活しています。
ここでは、クラシックスタイルへの詳しい変更の仕方を紹介します。
1.クイックアクセスツールバーをドロップダウンし、「メニューバーの表示」をクリックして、メニューバーを表示させます。
2.「ツール」をクリックします。表示されたメニューの中から「パレット」をクリック、出てきたメニューにある「リボン」を選択します。すると、リボンが画面上から消えます。
3.「ツール」をクリックし、メニューの中にある「ツールバー」を押下します。
「AutoCAD」をクリックし、任意のツールバーをクリックすると、自分の好みのツールバーを、画面上の好みの場所に配置することができます。この操作を繰り返し、必要なものをすべて選択して、好みのインターフェースにカスタマイズしてみましょう。
4.好みのインターフェースが完成したら、「ツール」から「ワークスペース」へとすすみ、「現在に名前を付けて保存」をクリックします。「AutoCADクラシック」など、わかりやすい名前を任意で入力し、右側の「保存」ボタンをクリックすれば、設定完了です。
※リボンを復活させたい場合は、画面右下にある、機械の歯車のようなアイコンをクリックし、出てきたメニューの中の「製図と注釈」を選択すると、簡単にリボンのあるインターフェースへと戻すことができます。
AutoCADで設定したオプションなどを規定の状態にリセットする方法
リセット ユーティリティを使用する場合
AutoCADをリセットし、すべて元の状態に復元する方法を、WindowsとMacに分けて、詳しく紹介します。
Windows版
WindowsでAutoCADの設定をリセットする場合、以下の手順でおこないます。
1.Windowsの「スタート」ボタンを押下します。
2.「すべてのプログラム」をクリックし、「Autodesk」「AutoCADxxxx」の順にすすみ、「設定を規定にリセット」を選択します。
3.「設定を規定にリセット」のウィンドウが表示されるたら、「バックアップ後にカスタム設定をリセット」もしくは、「カスタム設定をリセット」のどちらかを選択し、指示にしたがってすすむとリセットが完了です。
4.リセット後、初回起動時に環境設定のメッセージが表示され、初期化された状態でAutoCADが起動します。
Mac版
1.AutoCADを立ち上げた状態で、AutoCADメニューの中から「基本設定」を選択します。
2.基本設定の中にあるタブの中から、「アプリケーション」タブを選択します。「アプリケーションオプションをリセット」というボタンがあるので、クリックしましょう。
3.「AutoCADをリセット」をクリックします。AutoCADの現在の設定をバックアップし、リセットされます。
4.AutoCADを立ち上げると、初回起動時の環境設定のメッセージが表示され、初期化された状態で起動します。
まとめ
ここでは、AutoCADの詳細な設定について紹介しました。
AutoCADにおける、さまざまな設定をおこなうことで、より作業しやすい環境をつくることができます。
CADオペレーターや設計者など、実務でCADを扱う職業は、パソコンの前で長時間作業することが多く、CADソフトの設定をすこし変えるだけで、ストレスが軽減されたり、大きく作業効率が向上したりするものです。
この機会に、AutoCADの設定を見直してみてはいかがでしょうか。