CADソフトにはどんな種類がある?選び方から導入のメリットまで徹底解説
2022.12.28
- CADソフト解説
記事ライター:キャドテク編集部
「CADソフトの種類って、どれくらいあるの?」
「有料・無料関係なくCADソフトの種類について知りたい……!」
「まずは無料版のCADを使用したいんだけど、どれを選べばいいのかな?」
CADソフトには数多くの種類があります。
そのためCADソフトに詳しくない方が導入を検討する際、多くの種類から適切なものを選ばなければなりません。
そこで今回は、CADソフトの種類や選ぶときのポイントについて解説します。
■本記事の内容
- CADソフトには8つの種類があること
- 有料版CADソフトの種類・価格3選
- 無料版CADソフトの種類・価格3選
- CADを導入するメリット3つ
- CADを選ぶときに注意したいポイント3つ
最後まで読むことで、CADの種類を把握して導入時の比較や検討ができるようになるでしょう。
CADソフトの導入を検討している方、種類についてお悩みの方はぜひご一読ください。
目次
CADソフトの種類は8つある
まずは、この記事のテーマでもあるCADソフトの種類について紹介します。
CADソフトには主に、以下8種類があります。
- 専用・汎用CAD
- 建築用CAD・建築設備CAD
- 機械用CAD(メカCAD)
- システムCAD
- BIM(ビム:BuildingInformationModeling)
- 回路設計CAD(基板用CAD)
- アパレルCAD
- ジュエリーCAD
どのような種類のCADソフトなのか、概要を紹介していきます。
専用・汎用CAD
それぞれの種類を紹介する前提として、CADソフトは専用タイプと汎用タイプに分かれます。
専用CADは、たとえば後述する「土木用のソフト」など業界に特化したタイプのものです。
例)IJCAD Civil(土木
一方、汎用CADはどの分野でも利用できるような機能を搭載したソフトといえます。
分野ごとに細かい作業が必要な場合は、専用CADを用いることが多いです。
例)AutoCAD、jw-CAD
建築用CAD・建築設備CAD
建築用・建築設備用CADは、業界に特化したタイプの専用ソフトです。
CADソフトに馴染みのない方でも、イメージしやすいのではないでしょうか?
建築用CADは、建物などのデザインや意匠設計などに用いられます。
役所などに確認申請をするときにも、この建築用CADで作成した図面が提出されます。
一方で、建築設備用CADは電気・ガス・空調・給排水などの設計時に使われるソフトです。
配電盤などのパーツを簡単に図面に配置できるような、特化型のCADソフトといえるでしょう。
例)Archi-Trend、CADWe’ll Tfas
機械用CAD(メカCAD)
機械用CADはメカCADとも呼ばれており、ネジなどの細かい部品設計から航空機まで幅広い種類の設計に用いられるソフトです。
ただしメカCADは家電や車などの設計に用いられ、航空機などの場合はハイエンドCADと呼ばれる高性能なソフトを使用します。
また部品同士の干渉チェックに用いられることから、CADソフトの3次元化が早かったのがこの業界でした。
3DCADの普及により、従来よりも容易に設計や確認ができるようになっています。
例)CATIA
システムCAD
システムCADとは、2次元の平面図から3次元のパースまで一連の製図ができるソフトです。
たとえば住宅用のシステムCADでは、簡単な操作のみでブロックを組み立てるように作図ができます。
自動で3Dパースからデータ作成までできるような機能がついているので、非常に直感的かつ容易な操作性といえるでしょう。
例)A’s(エース)、3Dアーキデザイナー
BIM(ビム:BuildingInformationModeling )
BIMは、これまでの建築業界に変革をもたらしたとされるほどの画期的なソフトです。
従来のCADソフトでは2次元の平面図を3Dパースにするといった機能でしたが、BIMでは「はじめから3次元で設計し、2次元図面を切り出す」といった仕組みとなっています。
例)Revit、ARCHICAD
こういった革命的なCADソフトとして、2015年時点での海外企業におけるBIM導入率は米国80%、韓国50%、欧州70%まで上昇しています。
引用:海外諸国におけるBIMの取組み – 建築コスト管理システム研究所
回路設計CAD(基板用CAD)
回路設計CADは、主に電化製品の基盤などを制作する際に用いられるソフトです。
建築CADで紹介した際に電気設備で使用されるソフトがありましたが、こちらは基板の設計時に役立ちます。
例)Quadcept、Altium Designer
アパレルCAD
アパレルCADは、洋服をデザインする際に用いられる種類のソフトです。
裁縫用の型紙を作成したり、裁断時のレイアウトなどを図面化したりする際に利用されます。
例)AGMS、クレアコンポ
ジュエリーCAD
ジュエリーCADは、アクセサリーを作成する際に用いられる種類のソフトです。
ネックレスやリングなど、ジュエリーCADを用いることで造形機を利用して制作可能なため、便利かつ正確に原型をつくれます。
例)MATRIXGOLD、3DESIGN
【有料】CADソフトの種類3選
ここからは、有料のCADソフト(汎用CAD)について紹介します。
今回ピックアップしたのは、3種類のCADソフトです。
- AutoCAD(オートキャド)/AutoCAD LT(オートキャドエルティー)
- Vectorworks(ベクターワークス)
- IJCAD(アイジェイキャド)
それぞれの対応OSや、メリット・デメリットなどを詳しく解説するので参考にしてみてください。
AutoCAD(オートキャド)/AutoCAD LT(オートキャドエルティー)
Vectorworks(ベクターワークス)
IJCAD(アイジェイキャド)
【無料】CADソフトの種類3選
ここからは、無料のCADソフト(汎用CAD)について紹介します。
今回ピックアップしたのは、3種類のCADソフトです。
- Jw_cad(ジェイダブリューキャド)
- SolidEdge2DDrafting(ソリッドエッジ2Dドラフティング)
- RootProCADFree(ルートプロキャドフリー)
それぞれの対応OSや、メリット・デメリットなどを詳しく解説するので参考にしてみてください。
Jw_cad(ジェイダブリューキャド)
SolidEdge2DDrafting(ソリッドエッジ2Dドラフティング)
RootProCADFree(ルートプロキャドフリー)
CADを導入するメリット
ここからは、CADを導入するメリットについて3つ紹介します。
- 作業の効率化で従来の課題を解決しやすい
- 図面の管理や共有がしやすい
- 製図が従来に比べて容易で分かりやすい
1つずつ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
作業の効率化で従来の課題を解決しやすい
CADを導入するメリット、1つ目は「作業の効率化で従来の課題を解決しやすい」です。
たとえば従来は手書きで図面を引いていましたが、CADソフトが誕生したことによって圧倒的に短時間で作業を効率化できるようになりました。
他にも2次元での作図方法しかなかった時代と比べて、3DCADの普及はさまざまな業種を救ったことでしょう。
このように、CADを導入することは作業の効率化を叶うことにつながり、従来の課題を解決しやすいといえます。
図面の管理や共有がしやすい
CADを導入するメリット、2つ目は「図面の管理や共有がしやすい」です。
図面を共有したいとき、国内シェア数の高いCADを導入しているとスムーズに行えます。
また本社(事務所)で作図したデータを現場で使用したいときなどにも、iPadへの共有などで管理が可能です。
なかにはApple Pencilに対応できるCADソフトもあるため、現場で新たに必要な部分を加えるなどといった操作も容易にできるでしょう。
製図が従来に比べて容易で分かりやすい
CADを導入するメリット、3つ目は「製図が従来に比べて容易で分かりやすい」です。
たとえば今まで無料のCADソフトを使用していた場合、有料製品の編集画面が非常に使いやすいことに気づくでしょう。
また有料CADソフトは種類関係なくサポートなどが整っているため、操作が難しくてもマニュアルなどを読んで解決しやすいといえます。
従来の製図で苦戦していた方も、直感的な操作性を可能にした有料CADで作図が簡単に行えます。
CADを選ぶ時に注意したいポイント
ここからは、CADを選ぶ時に注意したいポイントについて3つ紹介します。
- サポート体制が整っているか
- 導入・運用にかかる費用が予算内か
- 導入端末が対応しているOSか
1つずつ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
サポート体制が整っているか
CADを選ぶ時に注意したいポイント、1つ目は「サポート体制が整っているか」です。
日本製品の場合は、基本的にサポート体制があります。
しかし無料のCADソフトを導入する場合は、サポート体制が整っていないので注意しましょう。
導入・運用にかかる費用が予算内か
CADを選ぶ時に注意したいポイント、2つ目は「導入・運用にかかる費用が予算内か」です。
高機能なCADソフトは使いやすいものの、種類問わず価格が高い傾向があります。
そのため導入時や運用にかかる費用が予算内であるか、しっかりと調べてから導入しましょう。
導入端末が対応しているOSか
CADを選ぶ時に注意したいポイント、3つ目は「導入端末が対応しているOSか」です。
有料ソフトはMacにも対応しているものが多いですが、無料のCADはWindowのみで使用できる場合が多いといえます。
そのため導入前に、端末に対応可能なCADソフトか調べておきましょう。
まとめ
今回は、CADソフトの種類や選ぶときのポイントについて解説しました。
有料・無料のCADソフトには大きな差があるため、選び方を間違えると使いにくいのに膨大な費用がかかるといった失敗を起こしやすいです。
CADソフトを導入する際は、かならず各製品のスペックや自社の環境を調査してください。