CADオペレーターの実態とは?必要資格や年収など徹底解説
2020.02.14
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
建築、土木、機械、自動車、電気、アパレルなど、さまざまな業界で活躍するCADオペレーター。ここでは、仕事の詳しい内容や、気になる年収など実態に迫ります。
目次
実態その1「仕事内容」

CADオペレーターについて
建築、土木、電気、自動車、アパレルなど各設計業界において、パソコン上のCADシステムを使用し、設計者の考えた構造物や制作物を、デジタルの設計図面として表現する仕事に就く人のことです。
ソフトには、手描きで描かれていた図面をそのままデジタルに移行した2DCADソフトや、素人でも視覚的に分かりやすい立体図としてモデリングする3DCADソフトがあります。
近年は3DCADを活用することも多くなってきていますが、建設業界をはじめ設計業界全体において、3DCADさらにはBIMの知識や操作技術を持ったオペレーターの需要が高まっていると言われています。
ソフトを利用して図面を作成するメリットはさまざまありますが、デジタルデータとして図面を管理した方が、場所もとらず、検索も容易であるということがあげられます。
また、デジタルデータとして残すことで、社内でのデータの共有も容易になるというメリットもあります。
設計者の知識や、経験が凝縮されている設計図面を、多くの設計士の間で図面を容易にシェアできることで、貴重な知恵や知識が後の技術者に継承されていくことにもつながります。
主な仕事内容
次に、実態について詳しくみていきます。
具体的な仕事の内容は、大きく2つに分けられます。
1つ目の仕事は、「新規図面の作成」です。
設計士やデザイナーが作成したラフ図面やスケッチなどを元に、CADソフトを利用して2D図面や3D図面を作成します。
設計者の意図を正確に図面に反映できないまま、図面が制作現場で使用されると会社に大きな損害を与えることにもなりかねません。そのため、ミスのない図面を作成する為にも、円滑なコミュニケーションと完成図面のチェック作業が欠かせません。
もうひとつの仕事は、「図面の修正、変更、変換」です。近年の設計の現場では、PC操作に長けており、ソフトを自分で操作することができる設計士やデザイナーの方が多くなっています。
そこで業務として多くなってくるのが、図面の修正や変更です。
設計業界では、クライアントと打ち合わせをすすめるうちに、設計プランが変更になることはよくあることで、おおまかな設計案は設計者が作成し、その後、打ち合わせによって変更になった部分は、CADオペレーターが随時変更していくという仕事の割り振りになっている場合も多いようです。
変更作業においては、設計図面は一箇所変更すると、関連して他の図面も変更になる場合があるという点は注意しなければなりません。平面図の変更に伴って、断面図や展開図といった他の図面にも関連した部分がないかには気を配る必要があります。
実態その2「働き方」

活躍をしたいと考える場合、働き方の実態も気になるところです。
従来、ものづくりの業界は、男性の職場というイメージの強い職場でしたが、近年はものづくりの業界でも女性の活躍する場が多くなりました。こちらもまた、女性が活躍しやすくなった職業のひとつです。
働き方には、さまざまな形態があります。「正社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」「在宅ワーク」「委託」など、ライフスタイルに合わせた形態で働くことができることは、この職業において大きな魅力です。
求人検索サイトで「CADオペレーター」と打ち込み検索すると、建築、土木、機械、電気など、CADを導入しているさまざまな業界が、求人を出していることを確認することができます。豊富な求人の中では、派遣社員としての募集が多い傾向にあります。
特に女性は、結婚や出産、育児など、ライフステージによって、働き方や働く時間が限られることも多く、派遣社員という雇用形態で働くことは、その要求に対応しやすい働き方だと言えそうです。
派遣の他にも、育児で忙しい期間は、在宅で勤務にするといった勤務形態で働き続けるなど、スキルを身につけておくことで、生活環境の変化にも柔軟に対応し、働き続けられるでしょう。
実態その3「活躍するまで」

一口に言っても、建設土木、機械、電気、自動車、アパレルなど業界は幅広く、自分の活躍したい業界をはじめに決めておく必要があります。
CADオペレーターを目指すならば、まずは自分が活躍したい業界で導入されているCADを習得しなければなりません。
専門のスクール、職業訓練校などで習得しましょう。専門学校の建築デザイン科などであれば、カリキュラムの中で習得することもできるようです。
実態その4「資格」

CADオペレーターに資格は必要ないがスキルや知識は必要
CADに関連するさまざまな資格が存在するなか、本当に必要か、必要でないかその実態について詳しく知らない人も少なくありません。
結論としては、仕事をするのに、特定の資格は必要ありません。
CADを習得するうえで、CAD利用技術者試験やオートデスク認定資格など資格取得を目指して勉強すれば意欲もあがるということであれば、関連した資格を習得することもありです。ただし、就職や転職で絶対に有利になるというものではありませんので、その点は理解しておきましょう。
その一方、キャリアアップしたいなどの理由から、各業界に特化した専門性の高い資格の取得を目指すというケースもあります。設計士やデザイナーを目指しているなどのキャリアアップはもちろん、年収をアップしたいという点からキャリアアップを目指す人もいます。
また、昨今では専門性の高さが求められている実態があることから、より多くの知識を得るために各業界に特化した専門性の高い勉強をしてみようと考えることもあるかもしれません。その流れから取得することも考えられます。
例えば、建築業界であれば「2級建築士」を取得すると、キャリアアップすることが可能です。インテリア業界であれば、インテリアコーディネーター資格、工業デザインの業界には「プロダクトデザイン検定」が挙げられます。
このように、仕事をするにあたって必要な資格は特にありませんが、キャリアアップや年収アップなどの面から、何らかの取得を目指すこともあります。
つぎに、CADオペレーターとして働く人が取得している資格についてご紹介します。
具体的な資格とは
■2級建築士
主に住宅程度の規模を設計したり、工事監理したりすることができる資格です。建設業界の基礎的なことを学ぶことができ、業界で仕事の幅を広げていきたい人にとって有効です。
仕事の幅が広がることにより、年収アップも狙うことができます。
取得する為には、大学や短大や専門学校の指定学科を卒業するか、実務経験だけで受験する場合は7年の経験が必要です。
しかし、純粋な業務では実務経験としてカウントされないので、受験を考えている場合、上司に相談し、設計監理や設計補助などの業務に携わることができる部署に移動させてもらう必要があります。
取得することで、設計士としての道を切り開くこともできるでしょう。
試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験では学科、二次試験では設計製図試験となっています。
注意したいのは、通常の業務では、PCを使用して作図をおこないますが、試験では、製図板を利用し、手描きで図面を作成することになる点です。
最初は手書き図面に慣れないことも多く、難しいと感じる人もいるかもしれませんが、手書き図面の理解が深まれば、業務の中で活かせる場面もあることでしょう。
■1級建築士
2級建築士の上位資格が、1級建築士です。
受験するには、2級建築士の取得後に4年の実務経験を積むか、4年制の大学の指定学科を卒業後に2年の実務経験が必要でしたが、2018年の法改正により実務経験がなくても受験だけを先にすることが可能になりました。免許を登録する際には、実務経験が必要です。
取得すると日本中のあらゆる建築物のほとんどの設計監理に携わることができます。数ある国家資格の中でもトップクラスのネームバリューと、社会的役割の大きさ、そして名前が持つ権威は大きく、取得することで高い手当を期待することができたり、将来的にスキルが伴えば独立開業をすることも十分可能です。
■福祉住環境コーディネーター
高齢化社会の我が国において、ますます需要が高まりそうな福祉関係の資格です。
福祉住環境コーディネーターもその中のひとつで、ケアマネージャーなどの医療系専門家と連携をとりながら、介護が必要な高齢者や障害者に対し、必要なサービスを提供するための資格です。
高齢者が住む住宅の危険な段差を解消する為に、スロープを設置したりするのも福祉住環境コーディネーターが関わる仕事のひとつです。
建築業界と、医療業界の橋渡し的な立場と言える資格です。
その他、インテリア分野においては、下記のような資格を目指しながら業務に携われば、より多くの知識を習得することができ、専門性の高さに一目置かれる存在となるでしょう。
・インテリアコーディネーター
・インテリアプランナー
・インテリア設計士
・キッチンスペシャリスト
・カラーコーディネーター
実態その5「年収」

下記の給与は年収の実態です。
平均値はおおよそ300万円で、25歳以下は他の年齢と比較すると年収が低いことがわかります。
・25歳以下
265万円程度
・20代後半
310万円程度
・30代
313万円程度
・40代
335万円程度
・全世帯平均
305万円程度
技術系の職業は、スキルが未熟だったり、経験が浅かったりという理由から20代は多くの報酬が望めないのが実態です。
一方、20代後半以降の年収をみるとわかるように、経験を積んでいくと着実に年収がアップする職業であることも読み取ることができます。
30代〜40代以降の年収は、あまりアップしていません。
この年収はあくまでもCADオペレーターの年収なので、30代以降もスキルを磨きつづけた人は、CADオペレーターを卒業し、デザイナーや設計エンジニアとしてキャリアアップしたことが予想されます。
スキルさえ持っていれば、一定の収入をキープしながら、ライフスタイルに合わせた働き方を選択することができます。
もっとバリバリ働きたい方は、努力次第で設計者やデザイナーといった道が開けてくるので、年収アップも見込めるでしょう。
実態その6「年齢」

活躍できる年齢の実態についてみていきましょう。
雇う企業側としては、物事に柔軟に対応することができ、知識の習得が早いと考えられる20代や、30代の社員が欲しいという実態があるため、早い時期からキャリアをスタートさせた方が良いと言えます。
20代の早い時期でスキルを身につけておいた人は、もちろんその後も働き続けることができ、時間をかけてキャリアアップをはかることが可能です。
もちろん、30代以降でスキルを身につけて異なる職種からキャリアチェンジをする方も多くいます。そのため、どの年齢であっても活躍することはできます。
ただし、技術職なので、年齢よりもスキルを重視する傾向があります。CADを使用して図面が描けることはもちろん必要ですが、就職する会社の業界の知識や豊富な経験をもっていれば、年齢関係なく、活躍することができるでしょう。
実態その7「将来性」

これから目指す方はもちろん、現在活躍している方であっても気になるのが、将来性や需要の実態でしょう。
将来性については、結論から言うと今後も需要が無くなるようなことは無さそうです。ただし、どのような雇用形態であっても、プラスアルファが必要であるのが実態です。
仕事が定着し始めたころの仕事と言えば、設計者がドラフターなどを使用して手描きで描いた図面を、PCを使ってトレースする作業を任されることが多く、CADを使えるというのは、それだけで特殊な技能と言えました。
これは、時代背景も関係しており、当時はPCも高価なもので、現在のように一人一台パソコンがある環境とは違い、PCが無い一般家庭も多く、パソコンもソフトも今より手に入れにくい品物でした。
しかし、現在ではPCの価格も下がり、個人でも入手しやすい身近なものになり、高価だったソフトも、無料でネットから十分仕事に使えるレベルのものが手に入るようになりました。
また、時代の経過とともに、定着し始めたころにCADオペレーターや設計補助者として働いていた方が、経験を積み、資格取得などでキャリアアップし、PCに強く、かつCADで図面を描くこともできる、新時代の設計士やデザイナーへとなり、現在はものづくり業界の中心となっています。
新時代のソフトを使うことができる設計者は、自分の設計は任せるより、自分で描いてしまった方が早いと考える人が多く、トレースの技術しかないCADオペレーターの需要は以前よりも低くなっている実態があります。
このように、CADを利用できるというのは、特殊な能力とは言えなくなっています。これからの時代には、技術とプラスアルファのスキルや知識が求められます。
前章でも紹介したように、業界に特化した専門性の高い資格を取得し、知識を豊富に持ち、いずれは設計者を目指すというのもひとつの方法ですが、何も方法はそれだけではありません。
たとえば、2DCADはもちろん、3DCADやBIMなどのスキルを身につけていれば、需要あるCADオペレーターになれるでしょう。
実態から見えるCADオペレーターの適正とは

ここまでみてきた実態をもとに、向いている人の特徴を見ていきましょう。
高い集中力を持っている人
一日の大半をパソコンの画面と向き合い、作業をすすめる仕事です。設計士やデザイナーからの指示を正確に聞き取り、作成している図面に反映させる必要があります。そのため、長時間のデスクワークにも対応できる集中力が求められます。
小さなミスでも、その設計図面を使って制作物が造られてしまえば、大きな損失に繋がることもあります。高い集中力を持って、正確な図面を作成していきましょう。
細かい作業やコツコツした作業が苦にならない人
仕事内容の実態でも述べた通り、繊細な作図作業を一日中こなすため、コツコツと少しずつものをつくりあげる地道な作業がほとんどです。
そのため、細かい作業やコツコツした作業が苦にならない人は向いていると言えます。
飽きること無くじっくりと物事に取り組むことができる方や、同じような作業が苦にならない人は、適正がある方と言えそうです。
常に細かい部分に気を配り、丁寧な作業と几帳面さが求められる仕事です。
高いコミュニケーション能力を持つ人
基本的にはパソコンと向き合い一人で作業をすすめることになりますが、コミュニケーションの能力が求められないかというと、そうではありません。
設計士やデザイナーと円滑にコミュニケーションをとる能力が求められます。
図面をかいていて疑問があったときは、後回しにすることなく、すぐに疑問を解消する必要があります。
大きな仕事の場合は、ひとつの案件に複数名が関わることもあるので、他のCADオペレーターとのコミュニケーションも必要になってきます。
ストレスを上手に吐き出せる人
一日のうちの大半をパソコンの前で過ごし、長い時間集中することが求められるため、ストレスや疲労が蓄積する仕事でもあります。
続けるには、上手にストレスを逃がす術を持っており、疲労を貯めない人になる必要があります。
集中しているばかりでは、疲れてしまって集中力が続かなくなるので、上手に休憩を入れながら、リフレッシュするようにしましょう。
集中する時と、休憩する時のオンオフを切り替えて作業するように意識するとよいでしょう。
最後に:CADオペレーターの魅力

ここまで、CADオペレーターの実態をさまざまな方面から見てきましたが、どのような職業においても辛いこともあれば、楽しいこともあります。
最後に、CADオペレーターという職業の魅力について紹介します。
・活躍できる場所が多い
建築、土木、機械、自動車、アパレルなど、様々な業界に活躍の場があります。自分の適性のある職場を幅広く選択することができます。
幅広い業界から自分の興味がある分野を選択し、好きなものに囲まれながら仕事ができるのは大きな魅力と言えるでしょう。
・仕事の成果が分かりやすく、達成感が得られやすい
自分の描いた図面が、実際に物体になるので、分かりやすく自分の仕事の成果を目で見ることができ、大きな達成感を得ることができます。ものづくりの業界で仕事をする大きな魅力のひとつと言えます。
・技術が身につく
パソコンの技術を身に付けることはもちろん、各業界における専門的な知識やスキルをみにつけることもできます。スクールに通えば、お金を払って教わるような技術が給料を貰いながら身につけられる場合もあることは、大きな魅力です。
・CADソフトに関する知識が身につく
仕事の中で覚えた専門性の高い知識や経験は、転職などの際に自分が思ってたよりも大きく評価されることがあります。3DCADやBIMの操作技術を習得できれば、転職で給与をアップさせることも期待できるでしょう。
・設計の知識
設計者と直接話をすることで、設計の知識も身につけることができます。経験豊かな設計者の知識を吸収できるのは、貴重な体験です。
・業界の知識
業界のことに詳しくなれるのも、CADオペレーターの仕事の魅力です。業界人でしか知り得ない知識は、今後仕事を続けていくなかや、人生においてもきっと役に立つことがあるでしょう。