建設業界のCADオペレーターに残業が多い理由とは?働き方や魅力などと併せて解説
2020.02.07
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
建設業界は残業が多い仕事のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、CADオペレーターの残業事情や残業少なめで働くことができるのかなどについて解説していきます。
目次
CADオペレーターに残業が多いと言われる理由
一般的に残業が多いと言われる建設業界ですが、CADオペレーターとしての採用であっても、将来的に設計者やデザイナーとして働きたいと考えている場合、スキルアップに伴い業務の幅も広がるため、どうしても残業が発生してしまうということがあるようです。
また、設計士の図面をもとに作図した製図に修正が必要となった場合、不備があった箇所を含め、全体を見直す必要があり、修正に時間がかかる傾向にあります。
製図を元に建築物の施工がはじまるため、施工開始までに製図を完成させなければなりません。スケジュールに余裕のある案件であれば問題ありませんが、納期間際で修正が発生した場合は、残業を強いられてしまうこともあります。
しかし、このような状況はこの職種に限ったことでは無く、CADオペレーターだけが残業が多いということではありません。
近年は、社会全体で働き方改革が叫ばれており、残業をできるだけなくすなど労働環境が改善されていくことが予想されます。
もしも、残業の少ない環境で働きたいのであれば、「残業少なめ」の希望が出せる会社、働き方を検討してみるのも良いかもしれません。
残業少なめで働くなら働き方を見直してみるのもあり
一日の主な業務内容としては、図面の修正の確認とCADによる修正作業、作図作業、関係者との打ち合わせなどがあります。
ただし繁忙期は、いわゆる猫の手も借りたいほどのハードな業務量になることが一般的なので、残業しなければならない日が何日か出てくることもあります。調整して業務をこなせば、残業が続いたり、帰宅できないような業務量ではないでしょう。
ですが、やはり残業少なめで働きたいという場合は、事前に「残業少なめで」という希望を出すことができる派遣社員として働くことも1つの手です。残業の少ない仕事を選択すれば、自分のライフスタイルに合った環境で仕事をすることができるでしょう。
派遣社員の平均的な時給は働くエリアによっても異なりますが、東京ではおおよそ1,600円で比較的高めの設定になっています。地方によっては、100円以上の差が生じることもあります。
決められた時間だけしっかり働き、後の時間は自由に過ごしたいと考える方にもおすすめできる働き方と言えるでしょう。
近年の求人募集を見てみると「ブランクがあってもOK」といった自由度の高い募集も見られ、子育てで一度現場を離れた主婦の方などでも働きやすくなっています。
技術が身についているかつ、最新の知識を取り入れることが必須の職業ではありますが、ライフステージに合わせ、出産後に復職したり、時間を短くしたり、バリバリ働いたりと、年齢に関係なく働きつづけることができることも魅力です。
一度、設計者やデザイナーとしてキャリアを積んだ女性が、結婚後に在宅で設計もできるCADオペレーターとして働いている事例もあります。
技術職なので、スキルと実績さえあれば、復職したあとも大きなプロジェクトに参加したりすることもできるでしょう。
自分の生活環境の変化に合わせ、ある程度の収入を維持しつつ、多様な働き方を選ぶことができるため、とても魅力の多い職業と言えそうです。
残業もあるがその分やりがいや魅力も多い
残業が辛いと感じる人もいますが、やりがいや魅力も十分にある職種です。詳しく見ていきましょう。
ものが出来上がる喜び
活躍する場所は、建築、土木、機械、電気、造船、自動車など様々な業界がありますが、いずれの業界でも自分の描いた図面が形として物体化するのは、ものづくりの仕事の醍醐味と言えるでしょう。
一本の線に意味を持たせ、その情報を元に制作現場の沢山の人が動き制作物が出来上がっていく訳ですから、責任も大きいですが、大きなやりがいを感じることができる仕事です。
仕事の中で感じる、やりがいや達成感は、ものづくりへのさらなる興味や関心を引き寄せてくれることでしょう。
多くの人と一つのものを作り上げる
設計の業界では、設計者やデザイナーが制作物の詳細を考え、指示を与え、図面を完成させ、その図面を元に制作現場が動き、制作物が完成するという仕事のフローになっています。
社内の設計者やデザイナーとの連携はもちろん必要ですが、制作の現場は別会社に委託している場合も多く、プロジェクトが大きくなると、それだけ多くの人と関わりながら仕事をすすめていくことになります。
多くの人間が集まり、ひとつのものを作り上げるというのは、それぞれのセクションで個人の個性が現れ、軋轢を生むこともありますが、その中で意見を出し合い試行錯誤することで良いものが出来上がっていくものです。
多くの人とひとつのものをつくりあげる喜びは、現場で体感した人にしか分からない喜びがあるものです。
努力次第で任せられる仕事の幅も広がる
多様なスタイルで働くことができる職種だという話は、先に紹介したとおりですが、頑張り方次第では、大きくキャリアアップすることも可能なのが、この職種の魅力でもあります。
未熟なうちは、設計者やデザイナーの指示に従い図面を作成したり、修正をしたりすることがメインの仕事になりますが、少しずつ設計の内容を理解するようになると、設計者に近い仕事を任されるようになります。
図面を描くことだけで、活動することももちろんできますが、もっとバリバリ働きたいと思う方は、資格の取得や、興味を持って技術を習得することで、設計者やデザイナーとしての未来も開けてきます。
興味のある分野活躍できる
建築、土木、機械、自動車、造船、アパレルなど、多様な業界で募集されています。
このような沢山の業種から自分にあった業界を選択して働くことができるのも大きな魅力です。
自分の興味のある業界のことであれば、自然と興味が湧くので、業界特有の難しいことも、頭に入ってきやすいことでしょう。
その一方、辛いことや壁にぶつかることもありますが、そんな時に自分の好きな業界の中で仕事ができているということが、心の支えになるはずです。
興味のある分野を選択し、その中で働くことは、これからキャリアを積みスキルアップしていく中で重要なことと言えます。
向いている人とは
・集中力がある
設計者やデザイナーの下で仕事をしているとはいえ、小さな図面のミスも許されません。図面にミスが生じたまま制作の現場で使われてしまった場合、大きな損失を生み出しかねないため、集中力が求められる業務と言えるでしょう。
作業には集中力と緊張感を持って望む必要があります。ミスの無い図面を作成する為、常にチェック作業も怠らないようにしましょう。
・繊細な作業をこなすのが好き
日常でこなす、作図業務は、細かい数値の打ち込み作業と、画面上でのオブジェクトポイントをマウスで選択する作業の連続で図面が完成していきます。
地味で細かく繊細さを要求される作業のため、忍耐強くこなすことができる人でなければ、設計の仕事に携わることは難しいと言えるでしょう。
・ひとつのものを黙々と作り上げるのが好き
設計者やデザイナーからの指示を正確に受け取った後は、基本的に黙々と作業することになります。
周囲の様子が気になりやすい性格であれば、作図作業にミスを引き起こしかねません。周りの様子を気にすることなくマイペースに作業を続けることができる人でなければ難しい仕事でしょう。
・長時間のデスクワークに抵抗がない
一日の大半をパソコンの前で座って過ごすことになります。基本的に内勤なので、一日中座っていることを苦痛と感じない人は向いていると言えます。
・ものづくりに興味がある
仕事をする中で、興味があるというのは、その後に仕事の中でスキルアップしていくうえで重要なことです。
正社員として採用された場合、残業がつづいたりすることもありますが、それでも乗り越えられるのは、ものづくりが好きという気持ちがあるからなのかもしれません。
将来性はあるのか
メディアなどでAI時代について耳にすることも多くなり、将来性に不安を抱えている人もいるかもしれませんが、どんなにAIが進歩したとしても、CADオペレーターの仕事は残り続けるでしょう。
長く活躍し続けるのであれば、コミュニケーションの能力を伸ばしたり、3DCADなどの新しい技術に興味を持ち習得したりすることが大切です。
今後の建築業界においては、3DCADはもちろんですが、BIMの技術が必要とされるでしょう。
新しい技術に興味を持ち、自分をアップデートしつづけることが、新しい時代を生きぬくための一番の方法と言えるのではないでしょうか。