CADオペレーターとはどんな仕事?仕事内容や働き方について
2019.06.02
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
CADオペレーターの仕事内容って具体的にどういうものなのか、気になりますよね。業種や職種によって多少違いはありますが、ここでは一般的な仕事内容について詳しく解説しています。求められる能力や、自分にピッタリの仕事を探す方法もお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
CADオペレーターの仕事内容はバラエティ豊富
昨今、需要が高まるCADオペレーターは、フルタイムでしっかり働くこともできれば、週数日勤務や在宅勤務など、自分のライフスタイルに合った働き方ができることから、男性だけではなく、女性も多く活躍しています。
そんなCADオペレーターですが、その仕事内容はバラエティに富んでいます。
需要が多いのは「建築・土木業界」ですが、それ以外も「家具・インテリア業界」「アパレル業界」「自動車・航空業界」「機械・家電業界」などから「福祉業界」や「ジュエリー業界」に至るまで、実に幅広い分野で活躍しています。
主な仕事内容としては、デザイナーや設計者が作ったものをCADにデータ入力し、図面を作成したり修正したりする、大量生産に使えるようにする、データを管理・共有する、データを活用して数値化する、あるいは別のデータを導き出すなどさまざまです。
こうした仕事内容に加えて、設計者とのやり取りや、外部とのやり取り(進捗管理や調整など)も必要になります。
「CADオペレーター」と「設計者」「デザイナー」は同じだと思っている人もいますが、実は大きく異なります。
設計者やデザイナーの仕事内容には「設計する能力・デザイン力」が求められます。一方、CADオペレーターの仕事内容は、それらを「正確に表現する」ことが求められます。
CADオペレーターの具体的な仕事内容とは
つぎに具体的な仕事内容について紹介します。
仕事は、CADソフトを使用してゼロから作図をおこなう業務と既存図面の修正業務に分けられます。
・作図業務
設計者やデザイナーの指示を受けて、その内容を図面に反映していくことになります。
業界によって使用されるソフトは様々で、AutoCAD、Vector works、Jw_cadなどが日本では大きなシェアを持っています。ひとつの企業で複数の種類のソフトを使用している場合もあり、異なるソフト間での図面のやりとりもあるので、複数のソフトを使えるとスキルの高い人だと企業から重宝されるでしょう。
CADオペレーターが作成した図面を元に、現場のスタッフが制作するので、正確な図面を作成することが求められます。ほんのわずかなミスでも、大きなトラブルにつながる可能性も高いため、確認作業が重要になってきます。
・既存図面の修正業務
近年は、全くソフトを操作できない設計者やデザイナーは少なくなっており、設計者やデザイナーがおおまかにCADで作図した原図に、修正を加えていくスタイルで図面を完成させることも多いようです。
修正作業で注意したいのは、一箇所修正を加えると関連して修正する場所が出てくる場合があるという点でしょう。
たとえば、平面図で位置を変更した場合、それに関連する断面図や展開図も同時に変更を加えなければならない場合があります。すべて漏れなく修正をしなければ、図面同士の整合性がとれなくなってしまいます。
自分で図面をチェックした後、設計者やデザイナーに修正した図面を確認してもらいます。
CADオペレーターの仕事内容からみえる魅力とは
モノができあがっていく喜び
一番の魅力は、自分が描いた図面が、実際に物体として形になるところです。業界によって制作するものは、建物、土木構造物、自動車、電化製品などと様々ですが、自分が作成した設計図を元に、沢山の制作スタッフが動き、実際に物体化したときの感動はひとしおでしょう。
モノづくりの仕事の魅力は、目に見える形で仕事の成果を確認できるので、人の役に立っているという実感を得られやすいことです。
多くの人と喜びを分かち合える
モノづくりの業界では、設計者やデザイナーが考えたものをCADオペレーターが図面にし、それを実際の製造現場のスタッフが製品として作り上げます。
設計だけを自社でおこない、製造は関係会社に依頼する場合や、工程の一部を外部の会社に依頼する場合もあり、時には社内の人間だけではなく、たくさんの人と連携しながらモノづくりをすすめていくことになります。
関係者がおおければ多いほど意見をまとめるのも大変な仕事です。
しかし、多くの人の意見やアイデアを取り入れながら、ひとつの作品を作りあげることは、作品が完成した時に携わった人間にしか分からない大きなやりがいがあり、自分を大きく成長させてくれることでしょう。
スキル重視の業種である
学歴や年齢や性別に関係なく、持っているスキルが正当に評価される世界です。
経験を積み、持っているスキルの分だけ評価され、評価は報酬にも反映されます。
CADオペレーターの仕事は、設計者やデザイナーの意見を正確に聞き取り、図面に反映させる事ですが、業界の知識を持っており、専門性が高いため報酬も高くなる傾向にあります。
CADの操作スキルはもちろん、一般事務だったり、その分野に特化した高い知識やスキルを持っていたりする人材は、就職や転職の際にも企業から重宝されやすい存在と言えるでしょう。
さまざまな雇用形態で働きやすい
CADオペレーターの求人は、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、在宅ワークなど、雇用スタイルが多様で、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択することができます。
結婚や育児などで、フルタイムで働くのが難しい場合でも、自分の働きやすい環境で、長く活躍していけるでしょう。
幅広い分野で活躍できる
職業の魅力は、様々な業界に需要があるという点にもあります。
CADが使われる業界というと、土木設計や建築設計が最初に浮かぶ方が多いかと思いますが、自動車やインテリア、アパレル、機械設計、電気設計など多様な分野で、スキルを活かすことができます。
近年は、3DCADが普及したことにより、従来はCADを使って設計していなかった分野でも、CADによる設計を取り入れているため、さらに選択肢が広がっています。
CADオペレーターに求められる能力とは?
仕事内容は「正確に表現する力」が求められます。そのため「正確性」「几帳面さ」「集中力」「忍耐力」などは欠かせない要素になってきます。
そのほか、求められる能力として挙げられるのが「スピード感」です。仕事内容の多くは設計補助としての役割のため、仕事の早い人は重宝されるでしょう。
仕事内容とは少し離れますが「モノづくり」に興味があることも大切です。ただ図面を正確に表現するだけでなく、「この図面は何に使われるのか」といった興味を持つことで、仕事内容に対する理解やモチベーションのアップ、ひいてはスキルアップにもつながります。
CADオペレーターは、その特別な仕事内容から「資格が必要?」と純粋に疑問を持っている人も少なくありませんが、実際に仕事内容をこなすために何らかの「資格」が必要ということはありません。
極端ですが、無資格でもCADオペレーターとしてのキャリアを積んでいれば、採用される可能性が高くなります。逆に、資格を有しているからといって採用に直結するというわけではありません。
しかしながら、資格を取ることは“取得に向けて集中して学習することで身につくスキルや知識がある”ことや“自分の能力を客観的に証明してくれる手段になる”ことから、面接の際のアピール材料としては大いに有用と言えます。
関連資格でも認知度が高いと言われているのが「CAD利用技術者試験(2次元・3次元)」や「建築CAD検定試験」などです。いずれも民間資格ですが、資格を取るなら、こうした資格を目指してみてはいかがでしょうか?
自分に合ったCADオペレーターの仕事内容を見つけるには
はじめにお伝えしたように、CADオペレーターの仕事内容はさまざまです。その中から、自分にピッタリの仕事を見つけることが何よりも重要になってきます。
自分でネット検索したり求人サイトを利用したりして探すこともできます。ですが、時短勤務希望、未経験でもOKなど、自分の希望に合った仕事を見つけるのは難しいことがあります。
スクールに通ったり、職業訓練校に通ったりして知識と技術を身につけた人なら、スクールまたはハローワークなどに紹介してもらう方法もあります。
より的確に、自分に合った仕事を見つけたい場合は、「CADオペレーターの求人情報を多く扱っている」または「各分野の求人情報に特化している」といった派遣会社へ登録する方法もあります。
CADオペレーターは、日本の「ものづくり」を支える大切な仕事であり、さまざまな業種・職種で求められている人材です。その中で自分のスキルや希望に合った仕事を見つけるには、CADオペレーターとしてどういった職種に就きたいか、将来的にどうなりたいかといったビジョンを描いておくことも大切です。