CADの資格を建築業界で活かすには?仕事の内容と働き方について
2019.05.29
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
「建築業界でCADのスキルを活かしたい!」「自分のスキルレベルを証明するために資格を取得したい!」と考えている方もいるのではないでしょうか?この記事では、CADのスキルを活かせる業界・業種などを解説するとともに、関連の資格やそれらを取得する方法、建築業界でオペレーターとして働く方法などを広く解説していきます。
目次
CADを使った仕事にはどのようなものがある?

CADは非常に幅広い分野で導入されているソフトです。具体的には、「建築・土木業界」「自動車・航空業界」「機械・家電業界」「家具・インテリア業界」「アパレル業界」などで導入が進んでいます。
「建築・土木業界」
高層ビルやマンション、橋梁、道路などの構造物の図面を描くのに活用されています。意匠図、構造図、施工図、設備図等さまざまな種類の図面をCADで作成します。
「自動車・航空業界」
自動車の設計図、航空機の立体的な設計図はもちろん、耐熱や耐荷重などについてもCADを用いてシミュレーションしています。
「機械・家電業界」
さまざまな装置や部品、ロボット、製造用の工業機械、テレビ、エアコン、デジカメ、冷蔵庫、IoT化されたさまざまなデバイスなどの設計にCADが使われています。
「家具・インテリア業界」
テーブルやイス、洗面台など、家具やインテリア・内装の設計にもCADが使用されています。形状はもちろん、製造方法・組み立て方法などにも用いられます。
「アパレル業界」
デザイナーがデザインした型紙をデータ入力し、量産するためのデータ作成にCADが使われています。
上記は一例ですが、このようにCADは多くの業界に取り入れられています。それぞれ、必要な知識やスキル、使用する種類などが異なります。
CADの資格を身につける方法

CADはさまざまな業界で活かされています。そのため、求められるスキルや知識なども業界によって異なります。ここでは、代表的な資格とその取り方を分かりやすくご紹介します。
代表的な資格
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する「CAD利用技術者試験」は、CADを扱う業界で幅広く認知されています。大きく「2次元CAD利用技術者試験基礎」「2次元CAD利用技術者試験」「3次元CAD利用技術者試験」があります。
「建設分野」において、特に受験資格を必要としないものとしては、一般社団法人全国建築CAD連盟が主催の「建築CAD検定試験」があります。これは、建築系のCADの技能を検定する試験です。「准1級」「2級」「3級」「4級」があり、4級は高校生のみとなります。
資格の取り方
CADの資格を取得する方法は大きく「スクールに通う」「職業訓練校に通う」の2通りです。スクールや職業訓練校は基礎から教えてもらえ、「技能試験に合格すること」を最終目標としています。
資格取得を目指す方へ
CADの資格は、それを取得するために集中的に学習したり、目標を持つことで学習に対するモチベーションを維持したりする上で効果的です。しかし、資格を取得したからといって、必ずしも就職に有利に働くものではないことも覚えておきましょう。
もちろん、ないよりはあった方が良いといえますが、実際に現場で求められるスキルや経験は業界・業種ごとに異なります。そのため、資格は、CADオペレーターとして仕事に就くためのアピール材料の一つ程度と捉えておきましょう。
建築業界でCADの資格を身につけてオペレーターになるには

今回は、CADを使った仕事にはどんなものがあるのかといった基礎知識から、代表的な技能試験とその取り方などをご紹介してきました。
結局のところ、資格を身につけて、オペレーターとして活躍するためには何が大切になってくるのでしょうか?
もちろん、「CAD利用技術者試験」や「建築CAD検定試験」といった資格を取得していれば、面接時のアピール材料にもなりますし、“自分が一定以上のスキルや知識を身につけている”ことを客観的に証明することにもつながります。
しかし、CADオペレーターに求められているのは、必ずしも資格という訳ではありません。
建築業界で活躍するために、より大切になってくるのは
「設計士やデザイナーの意図を理解し、要望に的確に応えられる理解力とCADの技術力」
「設計士やデザイナーなどと円滑なコミュニケーションを図れる能力」
「図面の作製・修正などを行うための集中力や図面の正確性」
といったように、試験に合格するだけでは身につけることができない部分が多くあります。
そこから考えていくと、資格はもちろんですが、建築業界でCADオペレーターになるなら、やはり経験がポイントになってきそうです。そのためにも、将来を見据えたキャリアプランの積み重ね方、そして、そこから逆算的に今、身につけておくべきスキルや経験などを理解し、把握しておくことが大切です。