CADの仕事をするには資格が必要?技術の学び方やCAD検定試験について
2019.05.23
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
設計の仕事の種類は多岐にわたり、就職や転職を希望する方が数多く存在する人気の仕事です。特に建築設計は建築デザインと共に人気が高く、派遣でキャリアを積みながら本採用を目指す方も少なくありません。
従来、設計の仕事はドラフターと呼ばれる製図機器を使用して手書きで行われていましたが、現在はCADが広く導入され、設計の仕事を希望する多くの方が資格を取得しています。
目次
CADという言葉は何の略?
建築設計はもちろん、各種設計に欠かせない存在となっているのがComputer Aided Design(コンピュータ エイディド デザイン)で、一般的にはCADと呼ばれる設計支援システムです。
1960年代に航空機設計用に米国ロッキード社で開発され、手書き設計の抱える問題を解決するシステムとして広く普及しました。
建築、設備、自動車、機械工作などに特化した専用CADの他に、様々な仕事に対応する汎用CADも存在し、二次元から三次元まで対応する汎用ソフトとしてAutoCAD(オートキャド)が知られています。
図面をデータ処理することで手書き図面では実現が難しかった設計データの管理や共有が簡単に行うことができ、仕様変更などの修正も簡単になり、製図作業の効率化が図れるようになりました。
設計士には同じ太さの線を引く技術が求められますが、コンピュータで線の太さを指定できるCADの普及で、設計の仕事に欠かせない高い練度が必要なくなり、CADが操作できれば誰でも図面を引けるようになったことは画期的な技術の進歩であると言えるでしょう。
CADの学び方と検定試験について
CADオペレーターには「CADの操作方法に精通していること」が求められますので、当然、操作方法を学ぶ必要があります。パソコン、ソフト、プリンター、操作のテキストがあれば、独学で操作を習得することは不可能ではありません。
全国各地に存在するパソコン教室や専門学校を利用すれば、更に効率的にCADの操作が習得できると考えられます。CADスクールや専門学校を受講すれば通称CAD検定と呼ばれる検定試験も視野に入ってくるでしょう。
CAD検定と呼ばれる資格は多くの種類が存在しますが、検定取得には一定の技術と知識が必要となるため、CAD検定の取得は就職や転職、派遣先へのアピールポイントとして大きな武器になると言えます。
検定に非常に多くの種類が存在することは、次に挙げる代表的な5つの検定試験がレベルに合わせて細分化されていることからも理解できます。
・2次元CAD利用技術者試験
・3次元CAD利用技術者試験”2級、準1級、1級”
・建築CAD検定試験”准1級、2級、3級、4級”
・オートデスク認定資格プログラム”オートデスク認定ユーザー、オートデスク認定プロフェッショナル”
・Vector works操作技能保持者認定試験”ベーシック認定、マスター認定”
仕事をするうえで検定試験は必要?
CAD検定の取得を行い、CADオペレーターとしてのスキルアップを行うことは、就職や、転職時の派遣先へのアピールポイントとして大きな武器になることは既にふれました。
専門性の高い仕事であるCADオペレーターに対する検定は細分化され、非常に多くの検定が存在することから、積極的に検定取得を奨励する会社も存在します。
しかし、設計の仕事は分野によって全く異なるため、例え検定資格を持っていても、経験者でない限り、入社直後から設計に携わることは難しいと考えるべきでしょう。
CADオペレーターの仕事は、設計の知識を持って1から図面を起こす上級CADオペレーターと、修正やトレースを行うアシスタントに大別できます。高いスキルを持って転職する方は例外ですが、就職したてや派遣で設計の仕事に携わる場合、多くの方がアシスタントからキャリアをスタートさせます。
アシスタントは、既存の図面の修正や設計士の引いた手書き図面を正確にデータ化するなどの仕事もあるので、設計の知識がない状態でCADオペレーターとして仕事に就く方も少なくありません。
CADオペレーターの検定資格は一定のスキルと知識を持っていることを第三者が証明してくれる非常に便利なものですが、設計の仕事の第一線で活躍するまでには一定の経験を積む必要があります。
自動車運転免許を取得したからF1ドライバーと同じ運転ができる訳ではないように、CADオペレーターの検定資格は仕事に参加するための最低条件だと捉えるべきだと言えるでしょう。