派遣のCADオペレーターとはどんな仕事?働き方や給料を徹底解説
2024.02.06
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
本記事は派遣のCADオペレーターとはどのような職業なのか、どのように働くのか、そして給料はどれくらいなのかを徹底的に解説していきます。
CADオペレーターを目指す方、キャリアチェンジを考えている方、または単純にこの分野に興味がある方にとって、有益な情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
CADオペレーターの仕事について紹介
CADオペレーターとは、パソコン上にインストールされたCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを使用して、設計者やデザイナーが構想した構造物の設計図を作図する専門職です。この職業は建築、土木、機械、電気、インテリア、アパレルなど、多岐にわたる製造業界で需要が高まっています。
CADには、従来の手描き図面をデジタル化した2D CADと、立体的な制作物を表現する3D CADがあります。近年では3D CADが機械製造や半導体産業を中心に主流となりつつあり、その使用範囲も拡大しています。CADオペレーターの業務は、設計図面の作成に留まらず、3Dアニメーションのデータ制作やプレゼンテーション資料、カタログ用の3D図面作成など、多岐にわたっています。
デジタルで図面を作成することのメリットとしては、物理的なスペースを節約し、容易に図面を保存・管理できる点が挙げられます。また、企業の共有ネットワークを利用することで、図面の共有と情報の効率的な流通が可能になります。
CADオペレーターの具体的な仕事内容
・作図や既存図面の修正
CADオペレーターの主な業務は、パソコンを使用した作図です。例えば、住宅建築の図面では、平面図、立面図、短計図、展開図、断面図など、多くの異なる図面が必要となります。これらの図面を精密に作図するのがCADオペレーターの重要な役割です。
また、既存の図面を修正する作業も頻繁に行います。設計者自身がCAD操作を行うことも多いですが、大まかな設計図面の後の修正や関連図面の作成はCADオペレーターが担当することが一般的です。修正作業では、一箇所の変更が他の図面にも影響を及ぼすことが多いため、細心の注意を払って作業を進める必要があります。
使用するソフトウェアは企業によって異なりますが、建築設計では「AutoCAD」や「Jw_cad」の使用が一般的です。最近では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトウェアである「ARCHICAD」や「Revit」を導入している企業も増えています。
・関係者との打ち合わせ
作図作業が主ですが、設計者をはじめとする関係者との打ち合わせも重要な業務の一部です。設計の細部を完全に理解する必要はありませんが、設計者との密な連携が求められます。設計者の指示を正確に理解し、適切に作業を進めるためには、CAD操作スキルだけでなく、業界用語や基本的な設計知識も必要となります。
雇用形態別CADオペレーターの働き方
CADオペレーターは、建築、機械設計、インテリアデザインなど、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。この職業には、派遣、正社員、アルバイトという異なる雇用形態があり、それぞれに特徴があります。
派遣CADオペレーター
派遣社員としてのCADオペレーターは、人材派遣会社を通じて様々な企業で働くことが特徴です。この働き方の最大の利点は、多様なプロジェクトや業界での経験を積むことができる点です。短期間で様々な作業環境やチーム構成を経験することができるため、技術の向上やキャリアアップにつながります。
また、派遣CADオペレーターは、自身のライフスタイルに合わせて、働く時間や期間を柔軟に選択できるという大きな利点があります。家庭の事情、趣味、学業、あるいは他の職業との兼業など、様々な状況に応じて勤務時間を調整することが可能です。
給料に関しては、アルバイトやパートの仕事に比べて、時給が高く設定されていることがほとんどです。
正社員CADオペレーター
正社員として働くCADオペレーターは、安定性と長期的なキャリア形成を望む方に適しています。一つの企業に長く勤めることで、その企業独特の作業プロセスや文化に深く携わることができます。また、福利厚生や昇給、昇進の機会も派遣やアルバイトと比べて充実していることが多いです。しかし、職場の環境やプロジェクトによっては、派遣社員と比べて柔軟な働き方が難しい場合もあります。
アルバイトCADオペレーター
アルバイトとしてCADオペレーターの仕事をする場合、柔軟なスケジュール調整が可能であり、学生や副業を考えている方に適しています。アルバイトは通常、短期間のプロジェクトや小規模な業務に関わることが多く、正社員や派遣社員に比べると給料は低めですが、特定のスキルや経験を積むのに適しています。ただし、アルバイトでは一般的に福利厚生やキャリアアップのサポートは期待できません。
CADオペレーターを派遣として働くメリット・デメリット
メリット
派遣CADオペレーターとして働くメリットは多岐にわたります。
柔軟に働く時間を選択できる
まず、ライフスタイルに合わせて柔軟に働く時間を選択できる点が大きな利点です。特に、家庭の事情や育児などで定時での退社が必要な場合でも、柔軟な勤務体系により仕事を続けることが可能です。
様々なプロジェクトに関われる
派遣であるため、様々な企業やプロジェクトに関わるチャンスがあります。これは、大手企業や大規模なプロジェクトへの参加機会を意味し、経験の幅を広げる絶好の機会となります。さまざまな設計事務所やプロジェクトに携わることで、多種多様なCADソフトウェアの操作技術を磨くことができ、その経験は派遣先で高く評価されるでしょう。
働きながら資格取得も目指せる
派遣CADオペレーターは勉強時間を確保しやすいということから、働きながら資格取得を目指すことも可能です。たとえば、一級建築士資格のような専門資格を取得することで、キャリアの幅を広げ、専門性を高めることができます。このような資格取得は、将来的なキャリアアップに直結します。
アルバイトと比べて待遇がいい
派遣CADオペレーターは、アルバイトと比べて待遇が良いことも大きな魅力です。社会保険の加入や有給休暇の取得、残業代の支給など、より安定した労働条件を享受できます。
これらのメリットは、派遣CADオペレーターとしての働き方を選ぶ上で重要な検討材料となります。自分のライフスタイルやキャリア目標に合った選択を行うことで、より充実した職業生活を送ることが可能になるでしょう。
デメリット
派遣CADオペレーターとして働くことは、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、その主なデメリットを挙げてみます。
仕事の安定性が低い
派遣社員は、3ヶ月単位での契約更新となるケースが多いので、人によっては不安になってしまう方もいると思います。また、プロジェクトベースでの雇用となると、プロジェクトの終了とともに次の仕事を探すことになります。また、経済状況の変動によっては、派遣先が減少する可能性もあります。
キャリアアップの機会が限られる
派遣CADオペレータ―は、一般的には業務内容を明確にした上で契約をするので、継続的な職務経験を積むことは可能ですが、キャリアアップの機会が限られがちです。昇進や昇格の機会は少ないため、長期的なキャリア形成には別のアプローチが必要になる場合があります。
福利厚生は正社員に比べて少ない
派遣社員は、派遣元の雇用となるので、
派遣先の正社員とは福利厚生面の待遇が異なります。
基本的な、健康保険や雇用保険などの各種社会保険の加入、残業代の支給、有給休暇の付与などはもちろんありますが、賞与(ボーナス)はないことが多く、定期昇給などもあまり見込めないのが一般的です。
マネジメント経験が積みにくい
正社員の場合は、経験・年齢があがることにより、マネジメント業務など、より責任のある立場が求められるケースがありますが、派遣CADオペレータ―は、業務スキル・専門性を高めるにとどまるので、人によってはデメリットと考える場合があるとは思います。
逆に専門職として働きたいと思う人にとってはメリットとも捉えられます。
CADオペレーターの給料
派遣の給料
平均的な月給は20万円から30万円程度、年収に換算すると240万円から360万円程度となります。
特に、派遣契約のCADオペレーターの年収は、経験やスキル、契約の詳細によって大きな差が生じることがあります。したがって、これらの数字は一般的な指標として参考にされることをお勧めします。
短期的な契約やプロジェクトベースでの雇用も多いので、様々な業界やプロジェクトを経験することができるのも派遣の利点です。
総じて、CADオペレーターの年収は雇用形態や経験、スキルによって大きく変動します。自分のキャリアやライフスタイルに合わせて、最適な選択をすることが大切です。
正社員の給料
経験やスキル、そして勤務地や業界、年齢によっても変動はありますが、平均的な年収は300万円から500万円です。
厚生労働省が提供している「職業情報提供サイトjobtag」によると、平均年収は461.8万です。
年齢別年収
大手企業であれば正社員のほうが利点が多いこともあります。
一方で、小規模な設計事務所や工務店への就職の場合、正社員でもあっても、サービス残業が多かったりお休みが取りづらかったりと、働いた時間に比べると極端に待遇が低いケースもありえます。
トータルで考えると派遣社員のほうが待遇がよい、というケースもありますので、一概に正社員だからいいとは言い切れません。
エリア別の派遣の給料
・北海道・東北エリアの平均時給:約1,300円
・甲信越・北陸エリアの平均時給:約1,200円
・関東エリアの平均時給:約1,600円
・東海エリアの平均時給:約1,500円
・関西エリアの平均時給:約1,500円
・中国エリアの平均時給:約1,200円
・九州・沖縄エリアの平均時給:約1,200円
平均時給については、都心が特に高い傾向にあり、地方と比べると100~300円程度の差があることが分かります。
地方と都心で時給が違うのは、CADの派遣社員に限ったことではありませんが、特に関東エリアの時給が高いのには理由があります。
それは、数多くある求人の中には、時給3000円といった好条件の求人もあり、このような求人が、平均時給をあげているという事情があります。
派遣のCADオペレーターで高時給を目指す方法
実務経験を積む
派遣のCADオペレーターとして高時給を目指す際、実務経験は重要な要素となります。経験が浅い初心者と、長年の経験を持つベテランCADオペレーターでは、時給に顕著な差が生じることが一般的です。経験年数が増すにつれて、対応できる業務の幅も広がり、即戦力としての価値も高まります。これに伴い、時給も自然と上昇する傾向にあります。
さらに、特定のCADソフトウェアに精通している、または特定の業界(例えば建築や機械設計)に特化した専門知識を持つCADオペレーターは、一般的なオペレーターよりも高い時給を期待できます。これは、特定の分野での専門スキルが高く評価されるためです。
高時給を目指す派遣CADオペレーターにとって、継続的なスキルアップと専門性の強化は欠かせません。
スキルアップ
CADオペレーターの職種では、実務経験の年数も重要ですが、特にスキルが重視される傾向にあります。年齢や性別に関わらず、スキル次第でキャリアアップが可能という点がこの職種の大きな魅力の一つです。ただ単にCADソフトを使用して図面を作成するだけでなく、他の関連スキルも磨くことが重要です。
例えば、PhotoshopやIllustratorのようなグラフィックデザインソフトの知識や、3DCADの技術を身に付けることで、より幅広い職務に対応できるようになります。これらのスキルは、設計士やデザイナーとしてのキャリアを目指している方にとっても非常に有益です。
スキルを深めることで、派遣CADオペレーターとしてより高度なプロジェクトに関わることができ、それが高時給を目指す上での大きなステップになります。また、専門的なスキルを持つことは、派遣市場における自身の価値を高め、より良い条件での雇用を望む際に有利となります。
BIMの知識を習得する
近年、建築業界においてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入が進んでいます。特に大手企業ではBIMの活用が顕著で、従来の2D図面から3Dモデリングへと作業工程が進化しています。この技術を用いることで、設計段階からコスト計算、日影、換気などの要素を総合的に考慮し、より効率的な設計が可能になります。
派遣のCADオペレーターとして高い時給を目指すには、BIMに関する知識や技術を身につけることが有効です。求人情報を見ると、BIM経験者を優遇する企業が増えていることが分かります。実際、操作技術者の需要が供給を上回っているため、BIMスキルを持つCADオペレーターは通常よりも高い時給を期待できる傾向にあります。
コミュニケーション能力を上げる
CADオペレーターの仕事は、一見、一日中パソコンに向かって一人で進める単調な作業のように思われがちです。しかし、実際にはチームでの協力が重要な要素となります。コミュニケーション能力を高めることは、派遣CADオペレーターとしての市場価値を上げる鍵となります。
チーム内で効果的にコミュニケーションを取り、協働する能力は、多くの企業にとって重要なスキルです。プロジェクトの成功には、設計者やプロジェクトマネージャーとの円滑なやり取りが不可欠であり、これらのスキルを持つCADオペレーターは高く評価されます。チームでの作業において重要な役割を果たせるようになると、企業からの評価が高まり、結果として時給アップにつながる可能性があります。
派遣で働くためには
一般的な職種より高い時給であるとともに、ライフスタイルに合わせた働き方ができる魅力的な仕事です。
高い時給を得るためには、スキルアップが必要となるため、それなりの努力は必要となりますが、それ以上にものづくりに携われるという大きな魅力を実感できることでしょう。
これを機に、CADオペレーターとして働きたいと思っている方はもちろん、自分のスキルを活かせる職場に転職したい、より高い時給で働きたいなど転職を考えている方は、まずは自分の働きたい業界に特化した派遣会社への登録からはじめてみませんか。