派遣で働くCADオペレーターの時給相場とは?働き方や仕事内容など徹底解説
2020.03.19
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
これからCADオペレーターを目指そうと考えている方や、すでに働いていて、転職を考えている方が気になるのは、やはり給与面ではないでしょうか。ここでは、気になる年収や時給について詳しく紹介していきます。
目次
CADオペレーターの仕事
CADオペレーター
パソコン上にインストールされた設計製図の支援ツールであるCAD(Computer Aided Design)を操作して、設計士やデザイナーが考えた構造物の設計図を、パソコン上で作図する人のことです。
仕事は、建築、土木、機械、電気、インテリア、アパレルなど、幅広いものづくりの業界で幅広く需要があります。
従来の手描きの図面をデジタルにそのまま移行した2DCADのほか、近年は立体で制作物を表現する3DCADも普及しており、機械や半導体などの分野を中心として、作図ソフトの主流になりつつあります。
設計図面を作成する他に、3Dアニメーションを制作する為にデータを作成したり、プレゼン資料やカタログに掲載する3D図面を作成したりと、現在では仕事も多様化しつつあります。
デジタルで図面を作成するメリットとしては、デジタルデータ化することで、スペースを取らずに図面を保存することができ、社内のグループで図面をシェアする場合、グループの共有ネットワーク上にデータを置くことで、効率よくグループ内でシェアすることができるという点があげられます。
具体的な仕事内容
・作図や既存図面の修正
一日の大半をパソコンと向き合い、作図することになります。
住宅建築の図面の場合、一棟の建物の図面でも平面図、立面図、短計図、展開図、断面図など、数多くの図面が必要になります。このような図面を作図するのが仕事です。
また、すでに作成されている図面を修正するのも、仕事のひとつです。近年は、自分でCADを操作することができる設計士やデザイナーが多い為、おおまかな設計図面の作成は設計者が自分おこない、その後の修正作業や関連した図面の作成を、CADオペレーターおこなうことで、一棟の建物図面を完成させるという作業フローをとっている設計現場も多いようです。
修正作業では、一箇所変更になると、関連して修正が必要になる図面が出てくる場合が多いので、慎重に作業を勧めなくてはなりません。
なお、使用するソフトは、企業によって導入ソフトが異なりますが、建築設計では「AutoCAD」や「Jw_cad」を使用することが多いです。最近では、ARCHICADやRevitなどのBIMを導入しているところも多くなってきています。
・関係者との打ち合わせ
作図の作業が一日の大半を占めますが、設計者をはじめとした、関係者との打ち合わせも大切な仕事です。
設計の細かい内容まで把握する必要はありませんが、設計者と密に連携をとりながら仕事を遂行していかなければなりません。設計者の指示を正確に理解するためには、操作だけでなく、業界用語や基礎的な設計の知識も必要になるでしょう。
派遣の働き方とは
働き方
CADオペレーターは数多くの雇用形態がありますが、その中でも「派遣社員」の求人は特に多いと言われています。
派遣社員でも、派遣会社との契約が正社員の場合、パート・アルバイトなどライフスタイルに合わせて選択することが可能です。
メリットは、ライフスタイルに合わせ、柔軟に働く時間を選択することができる点です。子育て中の女性なども働きやすい形態と言えます。
派遣会社であれば、研修などが充実している場合も多く、上手に利用すればブランクがあっても再スタートすることができるでしょう。
他の雇用形態と比較
・アルバイト
未経験から目指す場合、まずはアルバイトで入社し、スキルを磨いて、キャリアアップするというのもひとつの方法です。その一方、派遣と比較すると、保険などの保証が無いケースが多く、時給が低いというデメリットがあります。
・正社員
多くの場合、将来的に設計者になることを前提として採用している場合が多いので、給与は高めの設定ですが、作図作業だけでなく設計補助的な仕事をまかされることが多いようです。
忙しい設計業界では、残業になることも多く、決まった時間の中で働きたいのであれば、「残業少なめで」と希望が出せる派遣社員の方が働きやすいかもしれません。
派遣で働くメリット
派遣で働くメリットのひとつは、ライフスタイルに合わせて、決まった時間で働くことができる点です。育児などで残業などができず、決まった時間に帰宅したい場合でも、働き続けることができます。
また、様々な企業に派遣されることで、より多くのプロジェクトを経験できるというメリットもあります。ひとつの設計事務所で、いくつものソフトを使っているケースも多く、関係会社によってソフトが違う場合もあるので、いくつかのソフトが使えると、派遣先で重宝される存在になることでしょう。
さらに社会保険の加入や有給休暇の取得、残業代支給など、アルバイトよりも待遇がよい場合があることもメリットとして挙げられます。
派遣で働く場合の時給相場とは
派遣社員の平均時給は約1,600円です。この金額を年収に換算するとおおよそ300万円になります。
東京を中心とした関東周辺エリア以外のエリアでは、上記の平均時給より100〜300円ほど低いこともあるようです。
上記のように、一般的な事務職における時給より高い傾向にあるうえ、決まった時間で働けるため、特に女性に高い人気があります。女性だけでなく、男性においても、設計士や建築士として独立し、事務所を設立して設計の仕事を請けつつ、固定した収入を得るために、副業として選択する方もいるようです。
なお、中には、専門性の高い知識やスキルを持っていることで、時給3,000円という高時給で働いている人もいます。
このように、その人が持つスキルや経験などによっても差が生じますが、ある程度の給与を維持したまま、働き続けることができるでしょう。
エリア別にみる派遣の平均時給
ここでは、エリア別に平均時給を見ていきましょう。
・北海道・東北エリアの平均時給:約1,300円
・甲信越・北陸エリアの平均時給:約1,200円
・関東エリアの平均時給:約1,600円
・東海エリアの平均時給:約1,500円
・関西エリアの平均時給:約1,500円
・中国エリアの平均時給:約1,200円
・九州・沖縄エリアの平均時給:約1,200円
平均時給については、都心が特に高い傾向にあり、地方と比べると100~300円程度の差があることが分かります。
地方と都心で時給が違うのは、CADの派遣社員に限ったことではありませんが、特に関東エリアの時給が高いのには理由があります。
それは、数多くある求人の中には、時給3000円といった好条件の求人もあり、このような求人が、平均時給をあげているという事情があります。
派遣で高い時給を目指すには
実務経験の年数
実務経験も大きく時給に関係してきます。そのため、実務未経験で仕事を始めた人と、ベテランCADオペレーターでは時給も大きく異なってきます。経験年数が長くなれば、できることも増えるうえ、即戦力として働くことができるため、時給もおのずと高くなるでしょう。
スキル
CADオペレーターという職種は、実務経験年数も関係しますが、スキル重視で評価される傾向にあり、年齢や性別に関係なくスキル次第でキャリアアップすることも可能です。
ただ単にソフトで図面を作成するだけでなく、Photoshop、Illustratorや3DCADの技術を身につけたり、設計士やデザイナーなどを目指しながら仕事をこなしていくことで、より深いスキルを身につけられるでしょう。
今後はBIMの知識を習得することも時給アップが見込める
近年、大手企業を中心として、BIMの導入がすすんでいます。3Dでモデリングしたものから、2Dの図面を取り出すという従来とは逆の工程で作業をすすめることになり、コストや日影や換気などの情報も、設計当初から考慮してすすめることができます。
求人情報を見ると、BIMの経験者を優遇している企業が多くなってきていますが、操作技術者が少ないという事情があるようで、時給も通常より高く設定されている傾向にあります。
高いコミュニケーション能力
仕事は、一日中パソコンに向かい、一人で淡々とすすめているような印象もありますが、チームでの仕事ができるようになると、企業からも求められるようになり、自然と評価が高まりますので、時給のアップも狙えるでしょう。
派遣で働くためには
一般的な職種より高い時給であるとともに、ライフスタイルに合わせた働き方ができる魅力的な仕事です。
高い時給を得るためには、スキルアップが必要となるため、それなりの努力は必要となりますが、それ以上にものづくりに携われるという大きな魅力を実感できることでしょう。
これを機に、CADオペレーターとして働きたいと思っている方はもちろん、自分のスキルを活かせる職場に転職したい、より高い時給で働きたいなど転職を考えている方は、まずは自分の働きたい業界に特化した派遣会社への登録からはじめてみませんか。