さまざまな分野で活躍するCADオペレーターの仕事とは
2020.02.21
- CAD・BIMオペレーター
記事ライター:キャドテク編集部
CADオペレーターはさまざまな分野で活躍していますが、具体的にどのような仕事内容なのかわからないという人もいるのではないでしょうか。ここでは、具体的な仕事内容や年収などについて解説していきます。
目次
CADオペレーターの仕事とは
CADオペレーターとは
CADとは「Computer Aided Design」の略で、コンピュータ支援設計と訳され、コンピュータを使用して設計することや、コンピュータによる設計支援ツールのことを指します。
パソコンを使用して、さまざまな種類のCADソフトを操作し、建築業界、土木業界、機械製造業界などにおいて、図面を作成する人のことです。
身につけた技術で、設計士やデザイナーからの指示のもと図面の作成や修正を行っていきます。
求人を見ると、多様な雇用形態で募集されていることがわかりますが、その中でも派遣社員の募集は特に多い傾向にあり、時給も一般事務より高い金額で募集されています。
CADは、専門スクールや職業訓練校、専門学校の建築デザイン科などで習得することができます。
仕事内容
図面の作成は、さまざまな種類のソフトを使用し、設計エンジニアやデザイナーが描いたラフスケッチや、原図を元に、ソフトで図面を作成する業務です。
制作するものの細かい構造については、エンジニアやデザイナーからの指示により描くので、細部まで知っている必要はありませんが、正確に聞き取り図面に反映することが求められます。そのため、コミュニケーションの能力が必要です。
間違った図面がそのまま制作現場で使用され、そのまま制作物が造られてしまうと、大きな損失を生むことにも繋がりかねない仕事なので、常に細かいチェックを必要とする仕事と言えます。
このように、担当の設計者と連携をとりながら作図を完成させることが仕事です。
設計士の仕事の違いとは
先に紹介したように、制作物の細部については、設計士が考えるので自ら設計をおこなうことはありません。
設計士やデザイナーの指示が理解でき、設計図面の内容を理解できれば、基本的な業務はすすめることができます。
それに対し、設計士の仕事は、幅が広く、高いスキルを求められることになります。
たとえば建築業界であれば、「建築基準法」と建築に関係する「建築基準関係法令」についても理解しておく必要があります。
土木業界であれば、土質調査についての知識や、測量の知識も必要になってくることでしょう。
また、経済活動として設計の仕事をしている限りは、組織の利益を追求する為、コストについても考慮し、経済設計をおこなう必要があります。
設計者の指示によって動くCADオペレーターと、業務全体を把握し、業務の責任者として、全体を動かす立場にある設計士とでは、待遇面でも大きな差があります。
年収
つづいて、平均的な給与を年齢別にみていきましょう。
・20〜25歳:260万円程
・26〜30歳:310万円程
・30代:313万円程
・40代~:335万円程
以上のデータは、働く男女の給与を、年齢別に平均値としたものです。全世代の平均としては305万円程となっています。
どの年齢でも平均的に、300万円程度であることが分かります。20代前半の給与が低いのは、スキルが未熟であることや経験が浅いため、それが給与にも反映されているためでしょう。
20代後半からの給与は、ほぼ横ばいになっています。これは、設計士やデザイナーにキャリアアップしているという理由があげられます。
以上のデータから、若いうちに技術を身に付けておくと、一定の給与を確保しながら働き続けることが可能であることが分かります。
CADオペレーターの仕事の魅力ややりがい
・さまざまな業界に活躍の場がある
建築、土木、機械といった業界だけでなく、アパレル関係や造船、自動車などさまざまな業界で活躍することができます。
自分の好きなものの近くや、興味のある分野で、ものづくりに携わっていくことが可能です。
・技術や経験が評価されやすい
技術職なので、経験やスキルさえあれば、年齢や性別や学歴などあまり関係なく評価されます。
最初は言われるままに描くCADオペレーターだったとしても、知識を習得したり、経験を積んだりしていくうちに、設計士やデザイナーとしての道も開けてきます。
また、派遣社員からの入社でも、実績を積むと正社員に登用されることもありますし、派遣社員のままで、高いスキルが評価され、高い報酬を得ている方もいるようです。
・目に見える形で仕事の成果が分かる
普段の仕事は、パソコンの前にいることが殆どで、地味で繊細な作業の連続です。その一方で、最後には自分の描いた図面が、実際に形になるという点は大きな魅力といえます。
目に見える形で仕事の成果が確認できるというのは、日々の励みにもなりますし、達成感は何物にも代えがたいものがあるでしょう。
・専門知識が身につく
設計士やデザイナーなど、高度な知識を持つ人とコミュニケーションを取りながらすすめる仕事なので、自然と業界用語や知識が身につきます。
もちろんパソコンに関する知識や、各種ソフトに関する高い知識も増えていきます。得られた知識や経験の中には貴重なものも多く、転職などの際にも役立つことでしょう。
CADオペレーターの仕事に向いている人とは
適正のある人について詳しく見ていきましょう。
・ものづくりに関心がある
最新の技術に関心を持って取り込もうとする人はどんどんスキルを伸ばしていくでしょう。
関心がないことを一生懸命頑張ろうとしても、苦労が多いものですが、もともと興味のあることなら、苦にならず進んでいくことができるものです。
興味を持ち続け邁進していくためにも、どの業界で活躍していきたいのか、しっかりと検討したうえで本当に興味のある業界を選択したいものです。
・コツコツと作業をすすめるのが好き
日々の仕事の大半は、パソコンの前での地味で地道な作業です。コツコツと繊細な作業を、集中力を持ってこなすことが好きな人は適性のある人と言えるでしょう。
・輪を大切にする
先に紹介したように、基本的に一人でパソコンに向かっておこなう地道な作業ですが、制作関係者とは円滑なコミュニケーションを取る必要があります。
また、大きなプロジェクトでは、CADオペレーターが複数おり、分担して作図作業をすすめることも珍しく無いので、情報をシェアしあう必要もあります。
協調性がなければ、大きなプロジェクトに参加するのは難しいでしょう。
CADオペレーターの仕事の求人や転職状況とは
せっかく技術を身に付けても、企業からのニーズが無ければ、活かすことができません。求人についても詳しく見ていきましょう。
求人・転職状況
CADオペレーターは、さまざまな業界で必要とされており、企業からの需要が高い職種と言えます。
雇用形態は「正社員」「契約社員」「派遣社員」「アルバイト」「パート」があり、派遣社員での求人は特に多い傾向にあります。
どの雇用形態においても、各業界に特化した資格や、経験をもったCADオペレーターの需要が高く、基本的な操作技術だけでなく、プラスアルファのスキル、知識を求められていると言えるでしょう。
雇用形態を限定しなければ「実務未経験者歓迎」といった募集も見られます。
求人や転職には即戦力が求められる
正社員、派遣社員における転職は、業界の経験や資格があると有利になるようで、すぐに仕事を任せられるような即戦力のある人が求められる傾向にあります。
中には、研修制度など社員育成の環境が整っている企業もあり、未経験者歓迎といった求人も少なからずありますが、基本的には、専門スクール、職業訓練校などで基礎知識を得ていることが大前提です。
特に派遣社員の場合は、実務経験が豊富であったり、その業界に関する知識や資格があったりすることで、給料に影響してくることもあります。CADオペレーターとして活躍するのであれば、早いうちから知識を得て、経験を積んでおくことが、その後の転職も優位に進めていけるでしょう。
CADオペレーターの仕事における将来性
将来性については、ものづくりの業界にこれだけCADが浸透した現在において、その状況が近い将来で一新するようなことはないと考えられます。
しかし、CADを操作することができるというだけでは、好条件の職場で働いたりすることは難しくなったという現状があります。
これからは、これまで設計者にしか求められていなかった知識や、各業界に特化した専門性の高い資格、3DCADやBIMといったより高度な技術が求められています。
興味を持って新しい技術を取り入れる姿勢が大切と言えそうです。