建設業界の29業種の将来性や求人のニーズとは?
2019.06.21
- 転職
記事ライター:キャドテク編集部
建設業と一口に言っても、その種類は29種類もの種別に分かれている事をご存知でしょうか?今回は、業種ごとの将来や、今後の求人ニーズについて詳しく紹介していきます。
目次
“モノづくり”に携わる建設業の29業種とは?
建設業法に規定されている「建設業」とは、「土木一式工事」と「建築一式工事」の2つの一式工事と、その他の27種類の専門工事のことです。
一式工事とは、簡単にいうとゼネコンなどの元請け会社の請け負う仕事全般の事を指しており、この中には建築設計や設計監理、施工管理や下請け業者に対する監督や指導の業務などは、この一式工事の中に含まれます。
専門工事の27種類には以下のような工種があります。
・大工工事業
・左官工事業
・とび・土工工事業
・石工事業
・屋根工事業
・電気工事業
・管工事業
・タイル・レンガ工事業
・鋼構造物工事業
・鉄筋工事業
・舗装工事業
・しゅんせつ工事業
・板金工事業
・ガラス工事業
・塗装工事業
・防水工事業
・内装仕上工事業
・機械器具設置工事業
・熱絶縁工事業
・電気通信工事業
・造園工事業
・さく井工事業
・建具工事業
・水道施設工事業
・消防施設工事業
・清掃施設工事業
・解体工事業
建設業はもともと28種類でしたが、平成28年の建設業法の改正時、新たに「解体工事」が加わり、29種類となりました。
一式工事がいわゆる元請け仕事であるのに対し、専門工事とは実際に現場で工事を施工する、現場系の業務である事がお分かりいただけるかと思います。
建設業の各業種における平均給与や将来性は?
一式工事を請け負うゼネコン各社では、2020年のオリンピックに伴う、再開発や建設ラッシュによって、ミニバブル状態にあります。
多くのゼネコンでは売上が大きく伸びており、これを受け、社員の年収も上昇傾向にあるようです。
大手20社の40代管理職の年収を見てみると、850万〜1,350万となっており、やはりこの数字からも建設業界の景気の良さを垣間見る事ができます。
しかし、この数字は大手ゼネコンに限った話で、建設業の中で年収が高い大企業は全体の中で6%ほどしかありません。
また、年収の高い課長以上のポジションに空きは少なく、大手への転職を考えている方はこの辺も考慮したいポイントです。
専門工事を請負う下請けも含めた建設業全体の平均年収としては、男性が520万円、女性が280万円ほどとなっております。
この520万円という平均年収(平成28年度実態調査)ですが、先に説明した大手ゼネコンの管理職社員の給料も含まれており、平均値を押し上げている事も忘れてはいけません。
建設業の平均年収と、全業種の平均年収を比べてみると、男女ともに全業種の平均とほぼ同じ水準の年収であるといえるでしょう。
しかし、建設業界では週休二日制が定着していない企業が多く、サービス残業を強いられているケースもあるようなので、労働時間から考えた場合の年収の妥当性には疑問もあるようです。
今後の建設業界についてですが、2020年のオリンピックまでは好景気がつづくことが予想されています。
新たに建設される競技場の他、ホテルなどの宿泊施設も新たに建設されます。それにともなう周辺インフラ整備などを考えると、土木建築業界はオリンピックにより、大きな恩恵を受ける業界と言えるでしょう。
気になるのはオリンピックが終わった後の建設業界の動向ですが、2027年に開業を予定しているリニア新幹線の工事や、老朽化したインフラを刷新する工事などで、オリンピック後も落ち込む事は無いと予想されています。
建設業に含まれる業種の求人のニーズ
現在建設業界は人材不足と社員の老齢化に悩んでいますが、オリンピック後も建設業界の人材不足はつづくと予想されています。
若者の建設業離れがすすんでおり、90年台の後半と現在を比較すると、なんと7割も入職者数が減少しているというデータもあります。
原因としては、やはり長い労働時間と見合わない賃金の問題があるようで、90年台中盤に建設業界で働いていた20代30代の若者の数と、現在の20代30代の若者の数を比較すると、おおよそ半分になっているという実態があるようです。
せっかく入社しても、建設業界は他の業界より高齢化がすすんでおり、若い人材は入ってきても、すぐ離職してしまうという実態もあるようです。
以上のような事から、建設業界では40代以下の技術系の社員が育っていないという現状があります。
しかし、建設業界は人材不足を解消する為、徐々に労働時間や賃金の問題を解決する方向に動いているようです。
このような事から考えると、建築設計、建築施工監理、設備施工監理、土木施工管理といった技術系で、実務経験を持つ40代以下の方が転職する場合は、有利に転職する事ができる可能性が高いでしょう。
特に30代の後半〜40代のロスジェネ世代と呼ばれる時代の技術系の社員は不足しており、建築施工管理技士や土木施工管理技士を持っている人は、転職で年収アップも狙えそうです。