CADオペレーターは未経験で就職は難しい?未経験でもなれる方法や就職に有利な資格も紹介

CADオペレーターの仕事は、専門職であることから、未経験で就職・転職するのは一見難しそうに感じられます。

しかし、適切な準備をしていれば、多くの方がこの分野でのキャリアを築くことが可能です。

この記事では、CADオペレーターとしての就職を目指す未経験者向けに、実現可能なステップ、習得すべきスキルについて詳しく解説します。

技術ゼロ、知識ゼロから始める人でも、具体的な学習方法によって、CADオペレーターとしてのキャリアをスタートさせるステップを紹介できればと思います。

それでは詳しく見ていきましょう。

CADオペレーターは未経験で就職は難しい?

CADオペレーターとしてのキャリアを目指す際、年齢は就職活動において重要な要素の一つとなります。

特に、20代や30代の若年層では、未経験からの就職が比較的容易な傾向があります。

若手は新しい知識や技術を素早く吸収し、長期にわたりキャリア構築をしていけると、企業が期待をしているからです。

未経験であっても、ポテンシャルや熱意、学習意欲を評価されるチャンスが多くあります。

一方で、40代以降の方が未経験からCADオペレーターを目指す場合、就職はより難しくなる傾向があります。

これは、中高年層に対する企業の採用姿勢、特に短期間での成果を期待されるポジションでは、未経験者を受け入れるリスクを避けたいという考えが背景にあるからです。

また、40代以降ではキャリアの転換を困難と感じる人も少なくなく、学ぶことへの抵抗感や、すでに形成されている職業観が障壁となることも考えられます。

しかし、これは決して40代以降の方がCADオペレーターとしての道を閉ざされているという意味ではありません。

実際に、中高年層であっても、専門スクールや職業訓練校を通じてスキルを習得し、成功している例は多く存在します。

重要なのは、「いままでのキャリア・経験をどう活かすか」です。

40代以降の方には、豊富な社会人経験や異業種からの転職による幅広い視野など、若年層にはない強みがあるはずですので、どのように活かせるかは検討しておきましょう。

また、現代の職場環境や技術の変化に対応する柔軟性やと、継続的な学習への意欲も重要となってきますです。

CADオペレーターに知識ゼロ・技術ゼロの完全未経験からなるのは難しい

CADオペレーターは、製図や設計を行うための専門的なソフトウェアを駆使する専門職です。

このため、全くの知識ゼロ、技術ゼロからのスタートでは、就職することが難しいのが現実です。

CADソフトは複雑であり、建築、機械設計、土木工学など、さまざまな分野での専門知識が求められます。そのため、この分野でのキャリアを目指すには、基本的な技術や用語の理解から始め、徐々に専門的な知識を深めていく必要があります。

未経験からCADオペレーターになるためには、スクールや職業訓練校での学習をおすすめしています。

これらの教育機関では、CADソフトの基本操作から応用技術、そして専門分野に関連する知識まで、体系的に学ぶことができます。

また、実際のプロジェクトに近い形での練習を通じて、実務で直面するような課題を解決する能力も身につけることができます。さらに、これらの教育機関では就職支援サービスを提供している場合が多く、業界の求人情報の提供や面接対策のアドバイスなど、就職活動に直結した支援を受けることが可能です。

実際に、多くのCADオペレーターが職業訓練校や専門スクールでの学習を経て、未経験からこの分野への転職をしています。

専門職としての高い技術と知識を身につけることは時間と労力を要しますが、それに見合うだけの充実感を得られる職業であることも間違いありません。

未経験からCADオペレーターを目指す場合は、まずは専門教育を受け、基礎から応用までの知識と技術を確実に身につけることが、成功への第一歩となります。

未経験からCADオペレーターになる方法

CADオペレーターとしてのキャリアを目指すには、専門的な知識と技術の習得が不可欠です。

CADオペレーターの学習方法には、大きく分けて独学、専門スクール、職業訓練校の3つがあります。それぞれの特徴を解説していきます。

独学でスキルを身に着ける

独学でCADオペレーターのスキルを身につけることは理論上可能です。

インターネット上には無料または低コストでアクセスできる教材が豊富にあり、自宅で自分のペースで学習を進めることができます。

しかし、この方法では、学習の方向性を見失いやすい、困ったときに質問できるメンターがいない、実務で必要とされる具体的なスキルを見落としやすいなどのデメリットがあります。

また、実務経験が伴わない独学だけでは、就職活動で企業に自己のスキルをアピールするのが難しい場合が多いです。

スクールでスキルを身に着ける

専門スクールでの学習は、未経験者がCADオペレーターとしてのスキルを効率よく、体系的に学ぶための最適な方法の一つです。

専門スクールでは、基礎から応用までのカリキュラムが整っており、経験豊富な講師から直接指導を受けることができます。

また、実務に即したプロジェクトやグループワークを通じて、実践的なスキルを身につけることが可能です。

専門スクールの多くは、就職支援サービスを提供しており、履歴書の書き方から面接対策、企業への推薦まで、就職活動を全面的にサポートしてくれます。

職業訓練校でスキルを身に着ける

職業訓練校は、国や自治体によって設置されている教育訓練施設であり、テキスト代を除けば基本的に受講費用は無料でCADオペレーターとしての専門教育を受けることができます。

職業訓練校では、専門スクール同様に基礎から実践的なスキルまでを学ぶことができます。

職業訓練校に通う場合、失業保険の受給資格者であれば、通っている間は基本手当や受講手当、通所手当などを受給することができます。

これは、職業訓練校に通う人は基本的に失業者と同じように扱われているためです。

なお、こうした手当を受け取るためには、ハローワークから受講の指示を受けなくてはいけません。

CADオペレーターの資格紹介

ここではCADオペレーターの資格について解説します。

CADオペレーターの資格は自身のスキルや知識がどの程度か図るにはとても良いものとなります。

しかし、「この資格があるから就職で有利」という絶対的なものではありません。

あくまで、自己アピールの一つとして資格というものがあるという程度に考えておくのがいいでしょう。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、CADソフトウェアの操作能力だけでなく、設計や製図に関する基本的な知識と技術を総合的に評価する試験です。この試験には、基礎、2級、1級のレベルがあり、各レベルで求められる技術力が異なります。

自己アピールに最適なのは1級を取得することです。CADオペレーターとしての専門性と技術力を証明することができます。

オートデスク認定資格プログラム

オートデスク認定資格プログラムは、世界的に広く使用されているオートデスク社のCADソフト(AutoCAD、Revitなど)の操作能力を証明する資格です。

このプログラムには、いくつかプログラムがありますが、日本で受講できるプログラムは『オートデスク認定ユーザー』というものになります。

「オートデスク認定ユーザー」は、AutoCAD、Autodesk Revit Architecture、Autodesk Fusion 360 を使って学習する学生やプロ設計者を目指す社会人に最適な初級ユーザー向け認定資格です。

CAD実務キャリア認定制度(TCADs)

TCADsとはCAD操作の技術、図面の理解力を公正に評価する試験です。

本試験に合否判定はなく、学科試験、実技試験の合計990点満点となるスコア制で点数の認定を行います。

機械部門・建築部門の2部門に分かれており、各部門、図面に関する知識を問う学科試験とCADによる図面作成能力を問う実技試験とで構成されています。

学科試験

四肢選択方式とします。

出題範囲はJIS製図一般の知識および機械製図の基礎知識とします。

CBT方式で試験会場のコンピュータから解答を入力するWEB試験です。

実技試験

課題図は機械部品の組立図、部品図とします。

図枠、記号等はdxf形式で試験当日に配布とします。

線種、線の太さは参考資料を公開しますが、受検者各自が設定のこととします。

解答図は中間ファイル(dxf)形式と、使用したCADシステムの図面データ形式で提出します。

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験は、建築用図面を「CAD」を使って描く技量を測るもので、1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験です。総受験者数は16万名を超え、CADの実技検定試験としては受験者数・規模ともに日本では最大級の試験として位置づけられています。

試験内容は建築一般図の作成、建築図面をCADシステムを使ってトレースするなど、CADの知識だけでなく、実務で役立つ能力が問われます。

等級は准1級・2級・3級・4級あり、3級・4級は、『実社会で求められるCADトレース技術者』レベルとなっており、まずはここから目指すのがいいでしょう。

CADオペレーターとはどんな仕事?

CADオペレーターは、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトを使用して、建築、機械、電気など様々な分野の設計図や製図を作成する専門職です。

CADには、従来の手描き図面をデジタル化した2D CADと、立体的な制作物を表現する3D CADがあります。近年では3D CADが機械製造や半導体産業を中心に主流となりつつあり、その使用範囲も拡大しています。

CADオペレーターの業務は、設計図面の作成に留まらず、3Dアニメーションのデータ制作やプレゼンテーション資料、カタログ用の3D図面作成など、多岐にわたっています。

CADオペレーターの仕事内容

CADオペレーターの主な業務は、パソコンを使用した作図です。例えば、住宅建築の図面では、平面図、立面図、短計図、展開図、断面図など、多くの異なる図面が必要となります。これらの図面を精密に作図するのがCADオペレーターの重要な役割です。

また、既存の図面を修正する作業も頻繁に行います。設計者自身がCAD操作を行うことも多いですが、大まかな設計図面の後の修正や関連図面の作成はCADオペレーターが担当することが一般的です。修正作業では、一箇所の変更が他の図面にも影響を及ぼすことが多いため、細心の注意を払って作業を進める必要があります。

使用するソフトウェアは企業によって異なりますが、建築設計では「AutoCAD」や「Jw_cad」の使用が一般的です。最近では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトウェアである「ARCHICAD」や「Revit」を導入している企業も増えています。

CADオペレーターの年収・給料

CADオペレーターとしての職種は、給与に大きな差があることが一般的です。

特に正社員としての給料と派遣としての給料では、明確な差が見られます。

それぞれの給料を解説していきます。

正社員の給料

正社員としてのCADオペレーターの給料は、一般的には安定しています。経験やスキル、そして勤務地や業界、年齢によっても変動はありますが、平均的な年収は300万円から500万円です。

厚生労働省が提供している「職業情報提供サイトjobtag」によると、平均年収は461.8万です。

正社員としての雇用は、福利厚生や昇給、賞与などの利点もあり、長期的なキャリア形成を考える方には魅力的な選択となります。

また、一定の業務量や責任を持つため、スキルアップの機会も多いのが特徴です。

派遣の給料

一方、派遣のCADオペレーターの給料は、正社員と比較すると低めに設定されることが多いです。

平均的な月給は20万円から30万円程度、年収に換算すると240万円から360万円程度となります。

しかし、派遣という雇用形態の特性上、即戦力として活躍する場が多く、未経験者や経験が浅い方でもチャンスを掴むことができるのが魅力です。

短期的な契約やプロジェクトベースでの雇用が中心となるため、様々な業界やプロジェクトを経験することができるのも派遣の利点です。

総じて、CADオペレーターの年収は雇用形態や経験、スキルによって大きく変動します。自分のキャリアやライフスタイルに合わせて、最適な選択をすることが大切です。

CADオペレーターの働き方

CADオペレーターの職業は、そのスキルと専門性により、多様な働き方を可能にしています。技術の習得とともに、自分に合った働き方を選ぶことが、プロフェッショナルとしての充実と成長に繋がります。

以下では、CADオペレーターとしての主な雇用形態を紹介します。

正社員

正社員としての働き方は、安定した雇用と収入を提供します。一定の労働時間と対価のもと、企業の一員として長期にわたりキャリアを築くことができます。

正社員は賞与や退職金制度があることが多く、これにより収入がより安定します。さらに、昇給や昇進を通じて収入の増加やキャリアアップの可能性もあります。

また、社会保障は正社員に限らず加入する義務がありますが、正社員はこれに加え、充実した福利厚生を享受できる可能性があります。

アルバイト

アルバイトでの働き方は、柔軟な勤務時間を特徴とします。

学生や副業を探している人に適しており、比較的短期間での契約更新を前提としています。

時給制が多く、長期的なキャリア形成や福利厚生は期待できないものの、特定のプロジェクトに集中したり、複数の職場で経験を積むことが可能です。

派遣

派遣社員としてCADオペレーターの仕事をする場合、派遣会社を通じて設計事務所やゼネコンなどの派遣先に就業します。

この働き方は、多様な環境での経験を積みたい人や、柔軟な勤務地・働き方・ワークライフバランス重視を望む人に適しています。

派遣社員は、柔軟な働き方ができることが特徴ですが、プロジェクトの終了や、全体の業務量の減少などにより、その仕事の契約が満了となり、次の仕事を探すことになります。

業務委託(フリーランス)

業務委託(フリーランス)として働くCADオペレーターは、独立したプロフェッショナルとして自由な働き方を実現します。

自分自身でクライアントを見つけ、プロジェクト契約を結びます。

フリーランスは高度な専門性と自己管理能力が求められ、収入はプロジェクトによって変動しますが、自身の能力に応じた報酬を得ることができるため、その魅力は大きいです。

自由な時間管理と仕事選択が可能である一方、自身で保険や税務の手続きを行う必要があります。

まとめ

この記事では、CADオペレーターという職業の魅力と、未経験からその道を歩むための具体的な方法について記載してきました。

CADオペレーターは専門性の高い技術職でありながら、熱意と適切な学習機会があれば、誰もが成功のチャンスを掴むことができることが分かります。

これからCADオペレーターを目指す方には、挑戦する勇気と継続する力が何よりも大切です。

未知の分野への一歩は不安も大きいですが、一歩ずつ前に進むことで、見えなかった道が開け、新しい可能性に満ちた未来が待っています。

CADオペレーターとしての夢を実現するために、本メディアでは他にもたくさんのコンテンツを用意しています。

ぜひ参考にしてみてください。

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