博物館の仕事に就くには?仕事の種類と採用条件について
- 2019/5/28
- 博物館・美術館
博物館などによく足を運ぶという方であれば、博物館の仕事にも興味を持っているのではないでしょうか。芸術などの文化的なものに興味があれば、一流の芸術品や歴史的な資料を身近に感じながら働く博物館の仕事は、非常に魅力的な仕事であるといえるでしょう。
ここでは博物館の仕事の種類や仕事内容、働くための採用条件などについて詳しく見ていきます。
目次
博物館には種類がある
一言で博物館といっても、実は博物館には種類があることをご存知でしたか?
一般にはあまり知られていないかもしれませんが、博物館は3種類に分けられます。まず1つめは、1951年に定められた博物館法の規定を満たす施設で、所轄地域の教育委員会の登録を受けた「登録博物館」です。
登録博物館のみ、設置団体が地方公共団体や一般社団法人又は一般財団法人、宗教法人、政令で定める法人(日本放送協会、日本赤十字社)に限定されます。
2つめは、教育委員会の登録を受けた登録博物館ではないが、登録博物館に相当すると教育委員会からの指定を受けた「博物館相当施設」。この博物館相当施設も、博物館法に規定があります。
3つめは、登録博物館、博物館相当施設以外の博物館である「博物館類似施設」で、これは博物館法の適用外となっています。法律で定められてはいませんが、社会通念上、上記2つの博物館と同様の事業を行う施設と定義づけられています。
一般的にはこの3種類全てをひとまとめに「博物館」と呼んでいる、ということですね。
このうち登録博物館には国家資格を持った学芸員の設置が博物館法で定められています。博物館相当施設には学芸員に相当する職員の設置の義務がありますが、博物館類似施設においては特にそういった職員の設置に関して制限はないとされています。
博物館で採用募集している仕事内容とは
では、先に述べた3種類の博物館で採用募集している仕事内容には、どんなものがあるのでしょうか。
まずは、博物館の本分である資料や、作品の収集、保管、研究など、高い専門性をもって行う仕事が挙げられます。学術的に価値の高いものや、場合によっては重要文化財、国宝レベルの品を扱うこともあるので、専門的な知識が必要とされる仕事です。
博物館で採用募集される仕事は、ほかにもたくさんあります。展示室において来館者が展示物に触れる、撮影するなどの禁止事項をしていないか監視・巡回などを行なう仕事は、展示物保護、来館者の安全のために重要です。
受付や案内スタッフなども採用募集がある職種です。入場チケットの販売や管理、前売りチケットの取り扱いや大きな荷物の預かり、場合によっては音声ガイドの貸し出しなども行います。
電話対応などの各種問い合わせ、お手伝いが必要な方のご案内、混雑時の入場規制、行列ができた際の会場整理などの仕事も含まれます。
パンフレットやミュージアムグッズの販売、在庫管理、ディスプレイ、POPの作成、売り場管理などの仕事もあり、展示物の入れ替え時期などには梱包作業、搬入、搬出、会場の設営などもあります。
博物館ではこのようにさまざまな仕事の採用募集があるのです。
博物館に採用されるには資格が必要?
博物館に採用されるための資格としては学芸員が挙げられますが、学芸員になるには3つの方法があります。
1つめは、大学で指定の科目を習得した上で学位を取得する方法です。2つめは、大学に2年以上在籍(学位がなくてもOK)したうえで指定科目を含めた62単位以上を習得し、さらに3年以上の学芸員としての実務経験を積む方法があります。3つめは学芸員資格認定に合格する方法です。
では、博物館で採用されるには、学芸員の資格が必須なのでしょうか。
博物館で採用される仕事の中で、学芸員の資格が必要とされるのは、資料の収集や保管、研究、貸し出しの管理や展示内容に関することなどです。
最初に述べた3種類の博物館の中で、学芸員の設置が義務づけられているのは登録博物館のみでした。
ですが、学芸員の設置が義務付けられていない博物館相当施設や、博物館類似施設においても、学芸員の仕事に相当する作業を行うのは、大学教授など、その分野のプロフェッショナルが行う場合がほとんどです。特に博物館相当施設では学芸員と同等の知識を持つ職員が必要になります。
博物館の収蔵品などは、歴史的価値のある物や芸術的価値の極めて高いものなどが多く、取り扱いに専門知識を要するからです。
逆にいえば、そのほかのチケット販売や展示室の監視・巡回、案内、ミュージアムグッズ販売などの一般業務は、学芸員の資格は必要ありません。
従って学芸員の資格がなくても、博物館に採用されることは可能です。
また、博物館でのお仕事の前に、研修を受けることができるなど未経験の方でも安心してお仕事ができるようになっています。
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